「学生時代からの夢が、ようやく叶ったよ」
そう語るKさまは、出版社からスニーカーやジーンズの図鑑監修を依頼されるほど筋金入りのコレクター。家庭人でもあるKさまは、「いつかはコレクションを展示したり、趣味に思い切り没頭したりできる部屋を」という思いを長らく胸に抱いて来ましたが、居住中のマンション内にある、ご親族が事務所として使用していた約17帖のワンルームが空いたことで、積年の夢を実現させるチャンスが巡ってきました。
リノベーションによって誕生した “秘密基地” の扉を開けると、まず眼に入るのはアイアンフレームで造作したオープンな靴棚。限りある空間にコレクションを最大限飾れるようにスニーカーのサイズを計算し、ソファの着座位置からも全体を眺められるように設計。もう一つ象徴的なのが、勝手口まで一直線につながる広い土間です。これは、シンクでスニーカーの手入れをする際にも、水はねを気にすること無く没頭できるように考えたもの。さらに、100インチの大スクリーンで大好きなバンドの映像を好きなだけ見られるホームシアターを設置しました。ソファの背面の壁側は、一面のブリックタイルを背景に大好きなコレクションを自由に並べられるスペースです。
完成後、この部屋はご友人やご家族の訪問が絶えない場所に。非日常を、日常の一部として楽しまれています。
BEFORE
ここは、マンションの一階に所在するテナントや倉庫・車庫としての用途を考えられた住戸。道路に面した大きなシャッターが備わっていたので、居住性や防音性を高めるために、新たに壁一面を室内に建てました。その際、シャッター側からのアクセス性を損なわないように、勝手口のように使えるヴィンテージドアを設置しています。
お施主様から頂いていた内装のオーダーは「非日常感」。何度もサンプル品とにらめっこを繰り返して仕上げ材を決定し、ブリックタイルのイメージを前面に出した、遊び心を感じさせる印象となりました。