残された予算でこだわりを叶えた3つのポイント。▼仕様・設備→お施主様がこだわっていた1つが無垢フローリング。しかしコストを大きく左右する箇所でもあるため、比較的安く購入できる床材(アカシア)を採用。そのほかPタイルを水回りや収納スペースの床に採用してコストダウン。また、大から小まで既存で使える住設機器等は利用してコストを抑えました。▼コミュニケーション→既存の間取りは多くの壁で仕切られ、屋内に十分な採光と風通しが確保できていませんでした。そこで、余分な壁・ドアを取り除き、大きなワンフロアに一新。バルコニーに沿ってリビングダイニングを配置して明るく広々とした家族団らんの場に。全体が緩やかにつながり、いつも家族が互いの存在を感じ合うことができる住まいになりました。▼インテリア→シンプルだからこそ空間の表情をつくるのはインテリア。白を基調にすっきりとまとめています。圧迫感が出ないように家具は背が低めのものをセレクト。ウォークインクローゼットは扉ではなくファブリックを採用してコストダウン。また、リビングからつながる庭のようなルーフバルコニーも整え、のんびりと過ごせる空間に仕上げました。アスベストをきっかけに極めてシンプルな空間にしたことで、より「家族が互いの存在を感じ合うことができる」住いとなりました。まさに「雨降って地固まる」 ですね。
BEFORE
▼状況→インテリア関連の仕事をしている奥様。リノベで「いつも家族が互いの存在を感じ合うことができる」こだわりの空間をつくりたい!という強い思いからスタートした家づくり。自己所有物件のため、設計・施工から関わらせていただきました。専有面積「50.22㎡」築年月「1972年 6月」専有部分とバルコニーが同じぐらいの広さの珍しい物件でした。このバルコニーをアウトドアリビングとして活用し、家族三人が開放的で心地よく、自由を感じられる暮らしができるような住まいを目指しました。▼課題→しかし大きな課題がありました。設計のため現場を調査したところ、大規模なアスベストが確認されました。その処理にかなりの費用を使ってしまったので、残されたリノベ予算は限られてしまいました。よって、リノベーションコストを抑えつつ、お施主様の当初のこだわりも実現する、そんなバランスを求められる事例となりました。