ワンルームといえど、侮るなかれ。あえて空間に余白を持たせたことで、その使い方は多様。たとえばアクティブに活動するDINKSの生活拠点として、またエグゼクティブのセカンドハウスやクリエイターのアトリエとしても機能するという、いくつもの顔をもつカメレオン・ハウスなのです。
木目の美しいウォールナットの建具とブラックの壁面が上質なムードを演出する都会的なルックス。ゴルフバックなども悠々と置けるエントランス。ワードローブがすっきりと収まるシステム収納や、プラスαの空間演出として、窓際の床材を張り分けるなど、細かい気配りも忘れない。
人間にたとえると43歳。若いころはカッコ良くても、今では時代遅れの1LD・Kの「いいオジサン」。リノベーションをすることで、エレガントな雰囲気を醸し、懐深い「都会派ダンディー」な住まいに生まれ変わりました。
BEFORE
1975年に建てられた都心の中古マンション。2駅4路線が使えるうえに、自然ゆたかな植物園も至近とロケーションにも恵まれています。
当時は先進のホテルライクな設えだったのかもしれない「バス・トイレ・洗面台」がいっしょになった3点ユニットバスをそなえてはいるものの、パウダールームがないため、そこへはリビング・ダイニングから直接出入りするというワイルドな間取り……。
とくに収納らしい収納はなく、「ポテンシャルの高さは感じるけれど、これからこの人といっしょに生活していくイメージがわかない…」といった感想を抱かざるをえない部屋でした。