元印刷工場をものづくりと学びの場へ

その他  /   エリア:大阪府  /   掲載日:2018-08-28

その他  /   エリア:大阪府

掲載日:2018-08-28

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リノベーションで新たに加える部分は建物内に残されていた物を積極的にリユースし、可能な限り既存の状態と“馴染ませる”ことを大切にしました。歴史の積み重ねをリセットしてしまうのではなく継承しつつリスタートするという想いをデザインで体現しました。

テナントはものづくりを得意とする個人事業主や数人規模の会社にターゲットを見据え、賃貸区画は10〜27㎡の全11区画で計画。集積することで文化が発信されていく場となることを目指しました。新設する壁は耐力壁として耐震改修を行い、意匠と構造の両面から合理的な計画となるよう設計しました。

目先の稼働率を優先せずコンセプトへの共感を大切にしながらリーシングを開始しましたが数ヶ月で9割以上が成約し、その後もシェア自転車や館内ルール策定、DIY相互協力、イベント開催など、入居者の発案や自治が生まれ現在進行形でリノベーションが進んでいます。

BEFORE


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今となっては聞き伝えでしかなく確かな記録はないのですが、もともと小学校の講堂として建てられたそう。固定資産課税台帳によると昭和14年には建っていました。現所有者の鶴身印刷は戦後この建物を取得し、印刷工場としてニッカウヰスキーのラベルをはじめ様々な印刷物を製造していましたが、産業構造の変化、技術進歩の波に押され、数年前に印刷業を廃業されました。だけどこの建物だけでもどうにか残せないか。そんなオーナーの想いからこのプロジェクトははじまりました。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 改修後用途 / 1階:店舗+事務所、2階:事務所
    • 費用
    • 4650万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 耐震補強
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 2018年3月
    • 構造
    • 木造2階建
    • リノベーション面積
    • 414.87
    • 施工期間
    • 2017年11月-2018年3月
    • 備考
    • ■築年月/不詳 ■建物を残すというのは想いだけではできません。存在しているだけで固定資産税や都市計画税が課され、所有者責任として建物の維持修繕コストがかかります。本プロジェクトではコンサルティング・設計・施工・リーシングまで請け負い、今度ますます事業用不動産のリノベーションで求められるであろう、不動産的なマーケットの読み解き、事業計画の策定を行い、同時並行で建築的な法規の検証と意匠及び構造の検討を行いながらプロジェクトを進め、目論見通りにリーシングまで完遂するビジネスモデルを模索しました。 ■その他の写真は下記をご覧ください https://www.a-crafts.co.jp/works/5476/ ■入居者募集にあたって作成したコラム記事 https://www.realosakaestate.jp/column.php?n=1059 https://www.realosakaestate.jp/column.php?n=1080 https://www.realosakaestate.jp/column.php?n=1110 ※壁画はポートレイトペインター山本勇気氏(http://www.yuki-yamamoto.com/)によるもの。