住まいの長期的な将来を考えて辿り着いたのはスケルトンインフィル設計によるフリールーム空間の創出だった。
作り付けの家具は入れず、住む人の暮らし方や好みに合わせて家具や間仕切りで家の中をアレンジすることができる。施主にとってハードルの高い大がかりな工事は必要なく、家族が増えても、新たに部屋が必要になっても、その変化を楽しみながら暮らすことができる。
さらに、一度フルリノベーションして強い構造、新築レベルの断熱性、耐震性、耐久性を生み出したことで、この家が次のリノベーションを迎える際には低額で実行できる。
可変性を手に入れ生まれ変わったこの住まいがこの町で何十年と済み継がれていくことを願う。
BEFORE
住宅街に佇む築34年の木造戸建住宅。
目の前の通りに通学中の子供や朝散歩の人々が行き交う中、どこか奥まった雰囲気を感じさせていた。
この物件を再販するにあたり、一度フルリノベーションで生まれ変わるならば、これから何十年も地域に根付いてもらえる家にという思いからプランニングが始まった。