
変えないリノベーション
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部門
500万円未満
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費用
440万円(税込み)
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間取り
ワンルーム
- タイプ
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費用に含まれるもの
居室・その他 /
- 施主支給設備(費用に含まれないもの)
Before

購入後、9年間住んだマンション。これまで自分にフィットする家具やインテリアを取り入れ、自然と収まるべき位置が決まった。でも、モノは部屋に、部屋はわたしにフィットしているだろうか―――
古くなった設備を交換するためにリフォームを検討していたU様の脳裏に浮かんだのは、そんな素朴な疑問でした。玄関にある自転車は、カーペットフロアを汚さないように板を敷いて置いている。統一感のある家具を置いているのに、引いた目線で見渡すと、どことなくつながらない……
「せっかく変えるのなら、もっと私らしい部屋にしよう」
こうして、U様のリノベーションが始まりました。
After
わたしたちは、間取りには大きな変更を加えない方向で、お施主様にも積極的に関わっていただきながら仕様を決めていきました。玄関は、自転車をすんなり置けるよう土間スペースを拡大。モノトーンの花柄をあしらったタイルは、「アメリカのアイスクリーム屋さんの床」をヒントにU様自らがパターンを手がけました。壁には、自由にアレンジして使える有孔ボードのパネル。趣味の手芸で作った小物や、日用品を自由に飾って使うことができます。
LDKでは、セミクローズだったキッチンを、空間を広く見せるⅡ型のオープンタイプに変更。腰壁や壁面のタイルや吊り戸棚のデザインなど、随所にU様”らしさ”が表現されています。リビングで一箇所だけビビッドな黄色が使われ、浮いた印象だった収納扉は、キーカラーとしてそのまま活かし、洗面室の扉を鮮やかなブルーに変更。空間に連続性とコントラストをもたせました。窓際天井には、ガス管を加工して造作したハンガーパイプを取り付け、お気に入りのグリーンが吊り下げられるようになっています。
リノベーション後、ほぼすべての家具やインテリアが元の場所に、しかし以前よりもずっと部屋に馴染んで収められています。9年をかけて熟成させた大切なライフスタイルはそのままに、「人・モノ・部屋」が、リノベーションでひとつなぎになったのです。