
「民泊を空き家対策のスタンダードに」
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部門
500万円未満
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費用
400万円(税込み)
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間取り
ワンルーム
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タイプ
賃貸リノベ
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費用に含まれるもの
家全体 /
- 施主支給設備(費用に含まれないもの)
Before

日本には現在800万戸の空き家があります。2020年以降は世帯数も減少し続ける見通しのため、その頃にはさらに増加するでしょう。空き家を減らすために最も有効なのは旅行者、特に外国からの中長期滞在利用者に貸し出すこと。少しずつ規制緩和が進んでいる、いわゆる「民泊」です。
今回の物件は、1970年築、38㎡の賃貸マンションの一室を、民泊物件を検索できるサイト「Airbnb」用にリノベーションした事例です。
After
第一印象に光と広さを。
まずは他との差別化、キャッチーな存在感で閲覧者の心を掴めるかどうかが第一関門です。サイト掲載写真を左右するのは光。広いバルコニーから注ぐ自然光が、部屋の隅々までゆるやかに包みます。高くとった天井も作用し、「広い」という第一印象を与えることができます。作り込みすぎず、ミニマムで都会的な作り。検索でヒットした写真を見れば、必要十分かつ心地よい空間での滞在に思いをはせていただけるのではないでしょうか。
低コストのための見極め。
「低コストでかっこいいデザインを」というのがオーナーのご希望でした。民泊利用を想定すれば、住居とは違い削れる部分が多くあります。バスルームはシャワーブースのみとし、床やキッチンはラワン合板で仕上げ。躯体に直接塗装する等、デコラティブなものは排除しています。一方で「収納を作って欲しい」という利用者目線のリクエストも。滞在する側にとって必要なものと不必要なものを見極め、コストダウンを極めたつくりのリノベーションです。
長期的なメンテナンスも手軽に。
今後貸し出すにあたって、長期的なメンテナンスの容易さも重要です。ミニマムなデザインにしたことで、メンテナンスも容易になりました。床とキッチンは水性透明ウレタン、壁は水性塗料を塗り重ねていくだけで維持できるのが特長。職人さんに依頼しなくても、オーナーご自身でメンテナンスしていただけるレベルです。多くの方にご利用いただくことを想定すれば、ご自身でメンテナンスできるメリットは大きく作用するはずです。
今回の試みは、民泊を始めたいオーナーと、民泊利用を希望される方のためのリノベーション。立地条件は他よりも頭ひとつ優位なので、まずはサイトの中でいかに利用者の心を掴むかがカギでした。また、サイトには利用者のレビューという厳しい側面もあります。見た目のキャッチーさもクリアしながら、実際の使い心地が期待を裏切らないようにすることも重視しました。
日本ではまだ始まったばかりの民泊という文化。クリアすべき壁は高くても、空き家対策のスタンダードになるのではないでしょうか?
※この民泊事例は関連法案、条例、組合ルールを守り運営されています。