リノベーション・オブ・ザ・イヤー2016 この1年を代表するリノベーション作品を選出
800万円以上

築42年の戸建て再生、デザイン事務所兼自宅のつくり方

[一戸建] [エリア:東京都] [掲載日:2016-09-28] [事例掲載会員企業:株式会社リビタ
  • 部門
    800万円以上
  • 費用
    2,150万円(税込み)
  • 間取り
    2LDK+S
  • タイプ
    自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
    家全体 / 屋外 / 断熱改修 /
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

Before

Beforeコメント:

ご夫婦でデザイン事務所を経営されているお施主様。
おふたりと愛犬の新たな住まいに選んだのは、土地(建物価値ゼロ)として販売されていた築42年の戸建住宅でした。
見学時には売主様より「古いので建て替えてください」とのすすめられ、見上げれば雨漏りの形跡が……。土地に接する道路は私道、ご近所さんとの曖昧な土地境界線、と苦労しそうなポイントが山積みでした。
しかし、駅から15分歩いて感じられるこの地域特有の穏やかな空気、その土地に調和し、住むものに大切にされてきた家と庭をとても気に入り、「ここを自分達らしく活かし住み継ごう!」というお施主様の強い想いで購入を決意。長き冒険のスタートを切ることになりました。

After

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Afterコメント:

「古くてもまだ活かせるものは使いたい」というお施主様の意志のもと、家を支える柱や外壁など構造体はできる限り活かしています。
1階では愛犬が駆け廻れるよう大きなひとつの空間にキッチンや食卓、仕事スペース、ソファといった“場”がそれぞれの境界を曖昧に存在しています。元の状態から床高をあえて下げて土間の部分を多くとったことにより、空間に広がりが生まれ、また、屋外と室内の分れ目を曖昧にして、愛犬が庭と室内を自由に行き来できる雰囲気をつくりたかった、という設計者さんのねらいもあります。2階は元からの間取りを生かしコストを下げつつ、ロフトを設けて収納量を増加。室内の素材は合板やフレキシブルボードを使い、新旧の材料たちが仲良く共存した居心地の良い家が完成しました。


今回は、築42年の戸建てということでお施主様の不安をできるだけ取り除いてご購入いただきたいと考えました。
そのしくみとして、ご購入前の住宅インスペクションによって不具合箇所を特定することや、近隣境界を確定しておくこと、前面道路の通行許可・掘削承諾など住みはじめてからの不安も解消できるよう購入時の特約として定めています。ほかにも耐震性能は現行法に適合、断熱性能の向上、かし保険への加入と家の性能向上もサービスとしてパッケージ化。

マンション以上にストック数の多い戸建ての再生・流通促進が課題とされる昨今、新築・中古・リノベーションといった概念を超えて「住み継ぐ方がこの先20年を快適に過ごし、また次の方に委ねていける」、住宅寿命長期化にも寄与でき再現性あるリノベーションプランの一例となることを目指しています。

物件情報

  • 築年月
    1972年10月
  • 構造
    木造在来工法
  • リノベーション面積
    97.15m²
  • 施工期間
    5ヶ月
  • 備考
    設計:伊藤暁建築設計事務所
    施工:株式会社SOU

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