受賞作品一覧

最優秀作品賞

「Continuous renovation」

伯耆原洋太 塩塚勇二郎 石井義章

優秀作品賞

「木密ハローワーク」

齋藤貴儀 小林洸陽

視点特別賞

「耐火棚」

三浦喜世 城田研吾

視点特別賞

「解ける木密」

橋本阿季 安田諭史 花岡航

視点特別賞

「銅板トンネルが紡ぐ町」

宮城絢子

視点特別賞

「ハード×ソフトの「ギャップ萌え」防災」

藤中康平

コンペ入選作品はこちらでご確認頂けます。
最終選考プレゼンテーション&講評会の動画はこちらでご確認頂けます。

リノベーションアイデアコンペ総評

 今回は木密地域の防災という難しいテーマだったが、それだけに力作が多かったと思う。予選作品を見ると過去の作品より格段にイラストレーションのレベルが高く、ジブリ的だったり、ゲーム的だったり、とにかく凝ったものが多かった。防災に「萌える」ことを表現しようとした結果であろう。ただし木密地域に萌えることに気持ちが偏り、防災性を高めることを忘れがちになっている作品も少なくなかったという問題もあった。

 したがって予選通過作品は、ハード面、ソフト面での防災性を高める提案をしつつ、かつ萌える表現力があるものが選ばれたと思う。提案自体はハード面での提案が多かったが、多くがコミュニティづくりなどのソフト面も考慮に入れていた。そのバランスとイラストレーションの巧みさで、実際にその計画が実現した姿を見てみたいと思わせたのが最優秀作に選ばれた。

 また「ハローワーク」は完全なソフトの提案であり、そうであるがゆえにこの作品は優秀賞に選ばれた。ただし私個人としてはこうした提案は十年以上前から考えていたことなので、視点賞で十分だと思われた。優秀賞、最優秀賞を狙うなら、もっと具体的な踏み込み、資金を含めた事業計画が提案されるべきであった。

 そういう意味で、応募者には既にある研究、作品、事業に対する勉強が不足しているように思われた。三浦の著作や嶋田委員の活動などを知っていれば、もっと具体的な提案になったのではないか。

 毎年このコンペでは、誰がそのアイデアを実現するのか、お金はどこから調達するのかという点が課題になる。その点をもっと考えて提案に盛り込めば、予選通過が容易になるはずだ。

 そもそも建築というのは、お金を出す人から頼まれて初めて仕事が発生する。しかしそういう建築の時代は日本では終わるべきだと私は思う。建築家がみずから、こんな事業がしたいから、そのための建築をつくりたい、そしてそのためにはこれだけの資金が必要だからこういう事業計画を立てた、という提案をするべき時代が来ているのだ。

審査委員長 三浦 展

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