《福岡天神に暮らし、働き、愉しむためのONLY-ONEルーム》　～１室リノベーション分譲マンション ～ コンパクトスタイル　Vol.1

▽事例物件は、以下を主たる与件とする区分所有型リノベーション済分譲マンションです。◆地下鉄天神南駅（大丸福岡天神）徒歩約2分、西鉄福岡天神駅（福岡三越）徒歩約5分という超都心に立地。◆大手電鉄系デベが売主であった分譲マンション（全75戸、昭和58年築）のワンルームタイプ（専有面積37.74㎡、東南角部屋）。◆想定購入者は30歳台後半～40歳台半ばの単身者。▽本年5月に推計人口が150万人を突破した福岡市。今後も2035年をピークに人口が増加し、しかも2020年には単身世帯数が2人以上世帯数を上回ると、福岡市は予測しています。▽その一方で福岡市では、単身者に対する良質な持家マンションストックが未形成であり、また賃貸に対する将来不安から30歳台後半～40歳台半ばの単身者向コンパクト分譲マンションに対するニーズは底堅いと言われています。特に、マンション化率の高い中央区・博多区に於ける新築分譲の供給不足状況を鑑み、その解決策の一助となるべく今般事例物件を市場投入するに至りました。▽事前の市場調査から想定される購入者層については、「時間がなく面倒な商品を嫌う一方、賢い選択をしたと自ら納得したい」 という定性的な傾向が浮かび上がり、更にワンルームという専有面積の制約もあったことから、販売に際してはカスタムに係る要望には対応しかねましたが、一方で事前のマーケティングと商品企画には厳しさが求められました(※既分譲）。

▽想定した購入者層に向けた商品企画に際し、特に留意した点は次の通りです。①将来的に賃貸住宅として貸し出すことを念頭に、利回りを意識した価格設定。②立地特性上SOHO的な使用も排除できない。③男・女問わずユニセクシャルなデザインを選好する傾向がある。④賃貸マンションとの差別化が必要。⑤友人や恋人を招き自室で飲食する機会が多い。▽以上①～⑤を踏まえた上で商品企画を進めましたが、その具現化についてのポイントを以下に記します。◆平面計画上の最大の特長は、②・④・⑤を考慮して廊下を設け、サニタリーと収納スペースを居住空間から分離した点です。東南角部屋ならではの妻側腰窓を廊下に取り込み、明るさと開放感を演出した上で、廊下からサニタリー、ウォークインクローゼットへの動線を確保しました。◆収納スペースを廊下入のウォークインクローゼット（約3.52㎡）と２つあるトランクルームに集約すること、並びに当初3イン１だったサニタリーを各々セパレートにすることで、④及び⑤へ対応しました。特に収納スペースの集約は、居室のスッキリ感UPと家具計画の自由度確保に効果を発揮しました。◆キッチンを家具の一部と捉え、賃貸マンションにありがちなミニキッチンではなく、本格的なシステムキッチン（W2100、食洗機付）を設置することにより、④及び⑤の解決を図りました。◆③を意識したカラースキムと家具計画になりましたが、②の観点もあり造付家具は避けて可動可能な置き家具処理を選択しました。その際ユニセクシャルで且つSOHO的な使用を鑑み、MUJIさんの家具・小物等でコーディネートしました。