リノベーションEXPO JAPAN 2011 全国学生生リノベーション・アイデアコンペティション 審査委員プロフィール

審査委員「コンペに期待すること」

審査委員長

石井 健

株式会社ブルースタジオ 執行役員

これからの日本は環境、経済、エネルギー消費、人口問題など様々な観点から、現存する中古住宅を活用することが強く求められています。
しかし、なぜか多勢は人の使った家には住みたくない様です。世界の中で日本人だけがそう思うのでしょうか?
ひょっとしたら、住まいづくりに関わる私たちがそうしむけているのかもしれません。

このコンペティションでは、たとえそれが小さなことであっても、将来の住環境を良くするための、賢くてハッピーなアイディアが集まることを期待しています。また、デザインという手法に限らず、住宅産業に関わるあらゆるプロフェッションに跨る提案にも期待したい。

審査委員(50音順)

大島 芳彦

株式会社ブルースタジオ 専務取締役
クリエイティブディレクター

どんな時代にも新たな「視点」さえあれば街は活き活きとして見えるはず。状況を変える発想の源は私たちの眼の中に宿っているのかもしれません。人並みはずれた視点と視野をもち難題を解決する「ヒーロー」達。彼らは現代日本の街を生活の場としてどう見るでしょうか。リアルな視点と既成概念を超えた視野。そんなヒーローたちの視点から、先人達が築き上げた日本の街(生活環境)に活力を与えてください。

佐藤 可奈子

LiVES副編集長

多様な生活スタイルと価値観。そして時代とともに変化を続ける不動産の在り方。間取りやインテリアの面だけでなく、どのように住まいを選び、得るかということまでが、家づくりの一環として捉えられる時代になりました。これからの住宅シーンに対し、ハード・ソフトの両面から住まいの可能性を広げてくれるような、ユニークな発想を期待しています。

島原 万丈

リクルート住宅総研 主任研究員

「リノベーションの仕事もやるのか?」とイタリア人の建築家にと聞いたことがあります。そしたら彼は、「ヨーロッパではリノベーションの仕事ができなければ、建築家として食っていくことはできない」と断言しました。アメリカの不動産業者の仕事の現場を取材したことがあります。彼らは「ここをこうしたらもっと素敵になる」「このリモデルはこれくらいお金がかかってる」など、中古住宅を仲介する現場で、お客さんとリノベーションの話をします。
これまで日本では、「建築」と「不動産」は近くて遠い存在でした。建築とは更地に新しい建物を建てることを意味していました。不動産業とは、ありものを右から左へそのまま流して手数料を抜くことでした。
でも、わたしたちの暮らしの場である「住宅」は、不動産と建築の両者をまたぐところに成立する空間です。海外の事例をみるとわかるように、本来、切っても切り離せない存在なのです。日本の常識は世界の非常識。
建築が不動産のポテンシャルを引き出し、不動産が建築の価値を評価するのです。既存建物の価値を再生させる鍵は「物語」です。これからの建築は、「物語」を巡る職能になっていくと予感しています。本コンペで「ヒーローの家」というフィクションを設定した狙いは、そこにあります。
そんな視点があったか!不動産の既成概念をぶっ壊すような、建築ファンタジーを期待します。

曽我部 昌史

神奈川大学教授 株式会社みかんぐみ共同主宰

これはなかなか難しいコンペですね。というのも、リノベーションのデザインをしているときの醍醐味の一つは、その場所の見立てにあると思うからです。良く例に出すのは、テートモダンのタービンホール。7層吹き抜けの展示室なんて、真っ新なところから考えていても辿りつきません。うまい想定を元に、思いもよらないような魅力を引き出してくることを期待しています。

長坂 常

有限会社スキーマ建築計画 代表取締役

知の更新。既成の考え方に修正を余儀なくさせる提案を期待します。

馬場 正尊

東北芸術工科大学准教授 株式会社オープン・エー 代表

ここで言う「ヒーロー」とは、提案者の設定によってさまざまです。

架空の物語のヒーローの場合もあれば、時代性を象徴した実在のヒーローかもしれません。
もしかすると、逆説的なヒーローや、身近な誰かかもしれません。
どのような人物を「ヒーロー」と設定するかが、この課題のポイントのひとつだと思います。

リノベーション手法に一般解はありません。
いかに多様に、個性豊かな空間をつくり得るか、僕はその可能性を広げて行きたいと考えています。

遊び心とリアリティが共存するような、リノベーションならではの解答を期待しています。

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一般社団法人リノベーション住宅推進協議会