戸建 /
エリア:東京都 /
掲載日:2017-10-02
戸建 / エリア:東京都
掲載日:2017-10-02 /
木耐協が耐震診断を行なった95%以上の戸建ストックは国の耐震基準を満たしていない。検査済証取得率も低いことから、戸建ストックのほとんどが耐震不足と考えている。さらに国交省は断熱性能は7%しか基準を満たしていないと発表している。そもそも“耐震基準”は人命を守る最低基準。“断熱基準”は他国に比べたら驚くほど低く、健康リスクが高いので建築不可の国すらある。間取りもパターン化したnLDKという供給側の理論で作られているのが現状だ。そこで耐震は建物自体も守るレベルに、断熱は快適+省エネなレベルを目標とした。耐震は構造評点1.53まで向上し震度6強でも建物が倒壊しないレベルとなった。断熱は2020年義務化基準を大幅に上回り冬期平均室温16℃を下回らない性能まで向上。高効率設備で大幅な省エネ化と再生可能エネルギーを導入することで、一次エネルギー消費量収支ゼロを実現。改修分野では先進的なBELS★5ZEHを取得した。間取りは開放的かつ住人が主体的に暮らせる空間構成とし、周辺環境を取り込む窓や、用途を決めずに様々な居場所をつくる計画を行った。一定期間、コンセプトハウスとして事業者及び一般エンドユーザー向けに公開、そのノウハウ提供・啓蒙した上で、HEMSによるエネルギー収支や、光熱費、室温の定点観測など、2年間性能実証を行う予定としている。このプロジェクトを通じ広く世の認識が変わることを願う。
BEFORE
下北沢駅の賑やかな商店街を抜けた閑静な住宅街に建つ、木・鉄筋コンクリート造地下1階付2階建て築30年の一戸建て。建主が思い入れを持って建てた注文住宅は、11年前に耐震補強が施されるなど、丁寧に手を加えられながら家族の暮らしを支えてきた。このたび所有者が転居することとなったが、愛着ある建物をこれからも永く住み継いで欲しいとの思いから、戸建てリノベーション事業を行うリビタへの売却を決めた。物件購入したリビタと、これまで高性能サッシの開発を行ってきたYKKAPはかねてより、次世代の性能を備える既存住宅の再生、特に多くの課題を残す戸建て分野における新たな提案を模索していた。
本物件のリノベーションにあたり両社の思いを実現するべく、顕在化したニーズに応える買取再販事業の枠を超え、新たなマーケットを切り開くことを目的に、あるべき安全・環境性能と住空間を模索する実証実験の場として事業化することとした。