室町シュトラッセ

その他  /   エリア:福岡県  /   掲載日:2017-09-30

その他  /   エリア:福岡県

掲載日:2017-09-30

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まずは「未来予想図」を描くことから始めた。間口が5mしかない欠点を解消するためビルの側面も顔にするべく外壁を開口し、1階を3区画に分けた。1階の賑やかさを発信した事でインドカレー屋、コーヒーショップ、美容室が入居した。2階はアジア雑貨店と、グラフィックデザインやプログラマーの事務所が入居するシェアオフィス。廊下を「北九州のシーン」とテーマを決めた地元写真家達のギャラリーにし、更に給湯室はOPENにしたことでカフェカウンター形式による入居者と来店者のコミュニティとなる。3階は共有ラウンジと地域にも開いたレンタルセミナールームを設け、今では学会や研究会など地元の団体も利用している。更にはエステサロンが入居したことで利用者の幅もぐんと広がった。屋上は「青空コミュニティ」。入居者や地域の人も交ざり合うオープンなビアパーティが開催され、他にはお月見ヨガなど、地域の学びと体験のコミュニティになった。設計者もリーシングに深く関わることでこのプロジェクトの主旨が共通認識となり、活動も同じベクトルの基で日々繰り広げられる。ここまでくると運営者とは関係なしに「入居者同士が自走」し、フェスイベントが行われるようになり、通りが賑やかになっている。廃墟寸前だったが、1区画から1棟へ、1棟から通りへ、通りから街へ。元気がじわじわと波及しているこのプロジェクトは、まだ見ぬ「化学反応」にワクワクが止まない。

BEFORE


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近隣の西小倉駅から徒歩2分、歴史ある長崎街道に面する恵まれた立地でありながら、間口5mに対し奥行き26.5mもある、いわゆる「鰻の寝床」の40坪の区画は、一般事業者が借りるにはあまりに使い難く、更に築45年であるこのビルは、1階では1年以上、2階3階においては4年以上も入居が無かった状態も助長し、ビルオーナーも立て壊しを思案するような、廃墟となる1歩手前であった。またこの通りには数年前にタワーマンションが建ち、その低層が駐車場になった事で「駐車場通り」となる兆候が見えていた。歴史ある通りが閑散とした「駐車場通り」になることを防ぐべく、プロジェクトは始まった。

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 1階は外壁を開口したことで3区画に分けた。2階はシェアオフィス。3階は1区画とレンタルセミナー室とラウンジ。
    • 費用
    • 2800万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1973年3月
    • 構造
    • 鉄骨造3階建
    • リノベーション面積
    • 448.69
    • 施工期間
    • 10ヶ月
    • 備考