流通リノベとシニア団地

その他  /   エリア:福岡県  /   掲載日:2017-09-26

その他  /   エリア:福岡県

掲載日:2017-09-26

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写真の丸太「林地残材」は根元の曲がりが大きく組合も引き取らない“商品価値が無い“木材である。森の主は代々の先人達が植樹して来たこの”木たち”を放置したり燃やしたりする事を長年、憂いていた。一般的な流通は、林業→組合→製材所→加工製材所→組合→市場→建材店→工務店→施主、となるがこの「商品価値が無いという価値」を逆手にとり、林業→製材所→加工製材所→施主、という新しい流通を確立し、そして施主、設計者、施工者が山まで足を運び、林地残材に対する森主の想いを聞き、技術や歴史、先人達の想いを感じて来た事で、本質的なサービスを利用者に提供できるプロセスとなる。またこの流通は森主が利用者の笑顔が見える、という喜びも大きい。 施主は元作業療法士であり、デイサービスを開業する前に ”食からのサポート”としてお惣菜店を開業させた。1枚では無い2m毎の継手があるカウンターは林地残材の証である。また健康器具コーナーとイートインを併設したこの店では、施主が利用者の顔色から体調を気遣う声かけや、健康相談を行うという、元作業療法士としての能力を最大限に発揮し、安心感から集まるイートインでは毎日のように新しいコミュニティが形成されている。そして次に開業したデイサービスではそのコミュニティをそのまま受け入れることで入所者たちの安心と、日田杉の「本当の価値」が会話の軸となり体感として提供されている。

BEFORE


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UR団地の1階。築40年を超える建物は他の団地と多分に漏れず、入居者世帯とともに高齢化していた。また空間の視覚的陳腐化や水周りなど備え付けの設備機能の劣化が進み、長らく店子がいない状況だった。

このプロジェクトは施主、設計者、施工者だけによる空間リノベーションではない。内装に多く使用した「日田杉」の森の主も深く関わった「流通リノベーション」から始まる。

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 1区画をお惣菜店。入口から一筆書きの動線でイートインテーブルまで行けるレイアウトとした。そして隣2区画の壁を抜きデイサービスとした。高齢化した団地にはこの連携した事業4がとてもマッチしている。
    • 費用
    • 3200万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1975年9月
    • 構造
    • SRC造12階建
    • リノベーション面積
    • 216.19
    • 施工期間
    • 4ヶ月
    • 備考