約20畳のリビング全体に敷かれたグレーと白、
この2色のみで形成されたシンプルで無機質な空間に
スイスを中心とした名作家具やアーティストの作品が
展示されるように置かれたギャラリーのような空間。
インテリア関係の仕事をし、自らも数々の家具を所有していたIさんは、
それらを最大限に生かせる空間で暮らしたいと考えリノベーションに踏み切った。
元々美術品やインテリアが好きで、
以前NYに住んでいた時に訪れたギャラリーのピカピカと輝くモルタルの床や
展示品を引き立たせるための洗練されたシンプルな空間に魅せられたと言う。
そのギャラリーのような空間を再現するために
今回リビングの床に使用したのが『モールテックス』。
モールテックスは、見た目はモルタルと変わらない仕上がりだが性質は遥かに異なる。
モルタルよりも薄塗りでの施工が可能なため、新たに床の工事をする必要がなかったり
ひび割れがしにくいといった性能に優れた新素材なのである。
また調色可能なので好きな色が選べる。
とことん無機質な空間を突き詰め、目に触れる部分には生活感が一切出ないようキッチンは壁で覆った。
一番こだわったモールテックスの床は、塗り方に工夫を凝らし、
そこに幾度となく研きをかけ『ピカピカしすぎず、程よくムラを』
というIさんの求める微妙な仕上がり加減を実現した。
BEFORE
施主のIさんは約3年前にリノベーション済み物件を購入。
無垢の床やLDにひらけたキッチン、オープン収納など生活感溢れる空間だった。