ソラコミチ

大田区に建つ12世帯、ファミリータイプの共同住宅。
屋上には、鳩レースを趣味にしていたお父さんが建てた「鳩小屋」のある少し変わった賃貸マンション。
入居者からの要望もあり8月15日の大田区の花火大会の際には、屋上が開放されていた経緯があります。

屋上防水と外壁タイルの補修という大規模修繕を迎えるタイミングで、お施主様から入居者が日常的な大人の憩いの場や子供の遊び場として解放したいという思いから計画が始まりました。

屋上にあった鳩小屋を取り払うと周囲には高い建物がなく、開けた眺望と空が広がりました。ロケーションを活かすために立体的な構造物ではなく、細長くカーブするデッキによって、180㎡というつかみ所の無い広さの屋上を、活動を想像しやすい大きさに分節する事を提案しました。
人数やグループに応じた空間を用意することで少人数でおもいおもいに過ごす事も沢山の人で集まって過ごす事も同時に実現することができます。

空間をカーブするデッキは使われるその時々で、人の行き交う動線になったり、ある時は腰を掛けるベンチ。またある時は食事を取る為のテーブルにもなります。

このプロジェクトでは花火大会というイベントをきっかけに、日常的に入居者が繋がる長屋のような多世代コミュニティが生まれました。