わの家　千峰

オーナーのIさんは、両親が手をかけ大切にしてきた築85年の住宅の再生を検討していました。この住宅は建築基準法制定以前の建築であると同時に、間貸しをしていた建物でした。もともとシェア型住居として運用されてきたこの建物を、用途は変えず既存建物の間取りを活かしながら、昭和の暮らしを住みつなぐシェアハウスとして再生することになりました。

リノベーション工事は、耐震補強および劣化箇所の補修を中心に行いました。その他、準耐火仕様の界壁等を新設し消防署と協議の上消防設備・機能を新設する等、安全性の向上を図りました。建物に残されていたIさんのお母様の作品を再生計画の中で活かして既存建物の面影を残しつつ、シェアハウスとしての現代のニーズに応えられるものとしました。
　Iさんのお母様は「千峰」という雅号を持つ芸能に秀でた方でした。四季の移り変わりを大切にし、家族やまちの人々との関わりを大切にしたお母様の暮らし方を、シェアコミュニティのアイデンティティとして継承したいと考え、入居者募集の際には、お茶会イベントをシェアハウスの中心となる中庭で行い、昭和の「千峰おばあちゃんの家」での暮らし方に共感する入居者を募りました。