西海岸風 サーフボードのあるリビング

築15年という築浅物件で、住設機器はもちろん、壁のクロスや床の遮音フローリングもまだまだ使えそうではありましたが、こだわりのK様ご夫婦には思い描くリビング空間がしっかりイメージできており、迷わずLDKのリノベーションに踏み切られました。
K様ご夫妻は、住みたい場所で中古マンションを買って自分達好みの住まいに創りかえる事ができる「マンションリノベーション」という手段を知りました。そしてフルリノベーションだけではなく、自分達の出せる予算に合わせた部分的なリノベーションにも対応してもらえると知ってから、賃貸生活からマイホーム取得へと気持ちを切り替えられました。
　

ダイニングとキッチンを隔てる壁を一部撤去し、視線が通るどこからも日差しが感じられるリビングダイニングに。それ以外は、間取りに手を加えませんでしたが、キッチン、トイレ、洗面、の設備機器は交換しましたが、それらはコストをおさえる為に過剰機能を排除しました。ただ、リビング全体とのバランスに影響するキッチン扉の色選びは慎重に行いました。洋室二間は一切手つかず、和室は畳からカーペット敷きに模様替え、白木の枠をライトグレーにペイントするのみで、極力コストを掛けずに、雰囲気はリビングに近づけています。「以前たまたまインテリア雑誌で目にしたときから、手に入れたいと思っていた」と奥様が切望した無垢フローリングのヘリンボン貼りの床。キッチンカウンターの腰壁は水性ペイントとし、空間全体のアクセント色はブルー、と知らしめる役割を担わせました。ヘリンボンの床にはオスモのクリア色を、K様ご夫妻がＤＩＹで塗られました。塗られる半月前に住空間のギャラリーで、オスモの方をお呼びしてのワークショップを行っていたので、わずか半日余りで綺麗に2回塗りが出来ました。その他、洗面にはモザイクタイルの造作カウンターを設置して、洗面ボールとカランにはスタルクがデザインしたものを採用しています。和室に設けた収納の背面壁に風通し用の小窓を設けて、南に面しているリビングから北側の洋室へ風が流れる工夫もしてあります。
一番気を使ったのは、マンションですので階下への遮音です。リノベーションは工期が長いという事と、それまでの床材と仕様を変更するということで、階下のユーザー様がどうしても疑心暗鬼になりやすいという事がこれまでの経験で解りました。界壁際の処理や二重床の弱点への対応など、後からクレームが出ないよう工夫をしました。
あと最後に、担当者はキッチン正面の既存パイプスペースを極力小さくして、その空いたスペースに作った、PCやミニコンポを飾れる収納棚を地味に気に入っています。あのパイプスペースは現地調査の段階から少し大きすぎる、絶対にあの中に無駄な空間がある、と思っていました。