日本の世帯数4,997万世帯に対し、住宅ストックは5,759万戸。数だけでいえば、家は余っている。
今後、日本の人口は確実かつ急速に減る。現在の1億2,725万人から、出生中位推計で2030年には1億1,662万人、2050年には9,708万人。もし首都圏の人口減少の速度が緩やかだとすると、地方都市の中には人口が半減するような地域も出てくる。
首都圏の中でも、人口があまり減らない地域と大幅に減る地域に分かれていくと予測されている。
人口動態の大きな変化はこれだけではない。人口に占める65歳以上の高齢者の割合は、現在の25%から32%を経て39%と上昇し、
急速な高齢化と大幅な人口減少は、もはや確定済の未来の姿なのだ。
人口問題と建築は関係ない。などと言うことはナンセンスだ。人口動態の変化は、ただ単に需要の減少を意味するだけでなく、
社会の成り立ちそのものを変えてしまう。これからの日本の住まいを考えるときに、この問題は避けて通れない。
構造的な大きな変化が、今まさに進行中なのだ。
ところが、日本の住宅不動産業界は産業構造の転換ができず、いままでのやり方を変えていない。
業界やそれに人材を送り出す大学も本格的に取り組めていないのではないか。
そういう、誰も積極的に解決しようとしてこなかった結果として、家が余り「空き家問題」が起こっている。
ちょうど、少しずつ小さくなっていく桶に、水が貯められ、溢れないようにしなくてはいけないのに、
水を入れる蛇口の栓を締めていない状態なのだ。経済的に言えば、供給過剰になれば、そのもの自体の商品価値は落ち、
価格も暴落しかねない。
空き家は、その地域の美観や不動産価値を損ねるばかりか、治安面や防災面での悩みの種となって行政コストを増加させ、
地域の活力を奪って行く。そういう日本の住まいと地域が直面している危機を象徴しているのが、空き家問題である。
これは地方だけの問題ではない。東京でもこれから本格的な高齢化が進展し、その加速度は地方を上回ると見られている。
日本全国の問題なのだ。日本の住まいは構造的な変革が求められる。
建築や不動産に対する考え方の、抜本的な見直しが必要な時期に来ている。産業構造は転換を余儀なくされる。
ここで、多くの智慧のあふれる提案を求めたい。
それらはたった一つの事例を通し、汎用的なアイデアを示すのでもよいし、建物を作る考え方でも、
空き家を有効に活用するビジネスアイデアでも構わない。
あるいは、空き家が発生する構造に注目して、それを解決する制度に対する提案でもよい。一人で取り組んでもいいし、
専門が違うパートナーと組んでもいい。いずれにしろ、ただ指をくわえて待っているのではなく、こちらから解決の糸口を見つけてほしい。建築、デザイン、不動産、まちづくり、行政、ビジネス…様々な分野からの参加を歓迎する。
審査委員長 竹内昌義
<参考図書>
三浦展「データでわかる2030年の日本」
木下斉・広瀬郁「まちづくり:デッドライン~生きる場所を守り抜くための教科書」
馬場正尊「都市をリノベーション」
米山秀隆「空き家率の将来展望と空き家対策」(富士通総研 経済研究所)
私たちは従来型の建築設計提案を求めているわけではありません。
その道の専門家に対して伝える表現手法も大事なものです。しかし、ある特定の人達だけが理解できる提案だけでは、せっかくのアイデアも伝播しにくいものになってしまいます。あなたの考えている課題とそのソリューション方法が多くの方に伝わる形であれば、表現手法は自由です。
<1次選考>
A3(横使い) 1ページ(※PDF形式)
用紙表面には氏名・所属など個人情報が分かるものは記載しないようにご注意下さい。
【表現の一例】
■ 提案の意図を表現する説明文、ダイアグラム、図面など
■ 選んだ空間、場所の基本情報…周辺環境、(建物の場合)元の用途・間取り・築年数など
■ 縮尺、表現方法は自由
■ ビフォーとアフターが分かるようにまとめて下さい
審査委員長
■ 竹内 昌義東北芸術工科大学 建築・環境デザイン学科 教授/株式会社みかんぐみ 共同主宰
審査委員(五十音順)
■ 内山 博文リノベーション住宅推進協議会 会長/株式会社リビタ 常務取締役
■ 林 厚見 株式会社スピーク 共同代表/東京R不動産 ディレクター
■ 三浦 展 社会デザイン研究者/株式会社カルチャースタディーズ研究所 代表取締役
■ 村上 萌 ライフスタイルプロデューサー/株式会社ガルテン 代表取締役
■ 若林 恵 『WIRED』編集長(コンデナスト・ジャパン)
■ 最優秀作品賞1作品 賞金30万円
■ 優秀作品賞 1作品 賞金10万円
■ 視点特別賞 数点 賞金 5万円 (アーキテクチャー&デザイン賞、ビジネス&コミュニケーション賞など)
入選作品に選ばれた作者(代表一名)は11月4日(月・祝)に東京で開催予定の最終選考会に招待致します。
最終選考会および講評会は上記審査委員も出席予定です。
※9月上旬の一次審査で入選された作品は、9月14日から11月4日の期間中、全国各地で
順次開催予定の「リノベーションEXPO JAPAN 2013」(主催:リノベーション住宅推進協議会)にて展示される予定です。
※各地域の「リノベーションEXPO JAPAN 2013」に関する詳細情報は、後日ホームページ上で公開いたします。
※賞金は全て税込みとなります。
※各賞に関しては「ダブル受賞」および「該当作品なし」の場合もあります。
応募者はグループ・個人を問いません。
11月4日(月・祝)に東京で開催される最終審査会の公開プレゼンテーションに参加できること。
※プレゼンテーションをしていただく入選者の交通費(※国内旅費に限る)・宿泊費は代表者一名分を支給する予定です。
※最終審査会に参加できない場合は、入選辞退とさせて頂きます。
9月上旬に一次審査を行い、入選者を決定します。審査結果は一次審査終了後、当ウェブサイトで発表します。入選者には、11月4日(月・祝)に開催される最終審査会の公開プレゼンテーションに参加して頂き各賞を決定いたします。入選作品は当ウェブサイトやその他メディア(予定)に掲載します。
※最終審査会(公開プレゼンテーション)では、スクリーン(プロジェクタ映写)を使ったプレゼンテーションと、
A1サイズパネル及び模型・動画などによる展示を予定しています。
※パネル及び模型・動画などの制作費として別途2万円(税込)を支給させて頂きます。
※展示用に、再度作品データ(解像度の高いもの)などをお送りいただく可能性がございます。
「リノベーション・アイデアコンペ」に参加するためには、事前に下記登録フォームから登録を行って下さい。
必要事項を入力し送信すると、後ほど登録完了を報告するe-mailが登録メールアドレス宛てに返信されます。
この登録完了報告メールに記載された登録番号は作品提出の際に必要となりますので、各人で記録し保存して下さい。
交付後の、登録番号に関するお問い合わせには応じることができません。
※複数案応募する場合は、作品ごとに登録が必要です。
※応募登録はこのホームページ以外からはできません。
※登録後、内容に変更があった場合は再度登録をし直して下さい。
※携帯のメールアドレスでは登録通知の返信メールを受け取れない場合があります。
※登録通知メールが届かない場合は、アドレスに誤りがある可能性があります。再度登録をし直して下さい。
■ 応募登録時に送られた登録完了報告メール宛に、応募図書(A3サイズ)を
PDF形式に変換したものを添付した上でご返信下さい。
■ 応募図書のファイル名を登録番号にして下さい。
記入例 ≫ 登録番号:1234 → 1234.pdf
■ 返信メールの本文へ、下記情報をご記入下さい。
■ 送付する応募図書は3MB以内にして下さい。
【記入情報】
・代表者氏名
・共同制作者氏名
・年齢
・住所
・電話番号
・e-mailアドレス
・所属先名
2013年9月9日(月)必着
※当日17時段階での着信をもって締切とさせて頂きます。
※郵送、持参は受付を致しません。
■ 応募作品は、未発表作品に限ります。
■ 本コンペの応募作品の著作権は応募者に帰属しますが、主催者が応募者に申し入れをし承諾を得られた範囲内において
主催者はその利用権を得るものとし、この場合、応募者が著作権を有する旨を表記するものとする。
また入賞作品の発表および、応募作品のカタログ・広告・ホームページ・その他の印刷物としての掲載や出版、
展示に関する権利は主催者が保有するものとします。
■ 応募作品は返却しませんので、必要な場合はあらかじめ複製をしておいて下さい。
■ 同一作品の他設計競技との二重応募はご遠慮下さい。
■ 著作権侵害の恐れがある場合は共催者の判断により入賞を取り消すことがあります。
一般社団法人リノベーション住宅推進協議会
http://www.renovation.or.jp/