変りゆく街で「Have A Good Day」が紡ぐ人の営み

その他  /   エリア:沖縄県  /   掲載日:2024-08-13

その他  /   エリア:沖縄県

掲載日:2024-08-13

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【Have A Good Day(よい1日を)から始まる大切にしたいもの】
那覇市東町は、かつて那覇港を玄関として発展した大市のあった賑わいの中心地。しかし、現在は沖縄の観光が盛り上がる影で、家賃の高騰によって商業ビルや通りから地域馴染みのテナントが消え、活気を失ったビルは壊され、跡地に高層住宅やホテルが建つ。過度な開発は、地元の人々の活動の場をスクラップしていないか。
昔から存在するスナック(=ローカルな日常)に、醸成されたその土地の魅力を見出し、ここでしかできないディープな体験を訪れる人に提供する。それが、このスナックとコワーキングが同居する雑居ビル「Have A Good Day」が生まれたきっかけ。

全6階の建物のうち、1~4階の既存店をそのままに、長く空いていた上層階を改修。6階は、イベント可能なコワーキングにしたことで、新たな利用者がビルを訪れ、街を盛り上げる仲間が集う場に。
5階では、昼夜2毛作のドーナツカフェ&バーを新たにオープン。正面は、夜のスナックビルの雰囲気を残しながら、昼は地元の人も観光客も受け入れるポップアートで装飾。通り沿いで販売できる露店スペースを設けたことで、ビルに入居する店舗が街との繋がり、朝から挨拶が行き交う。コワーキングやカフェの利用者が、夜にはスナックを訪れ、泡盛グラス片手にママたちの語る土地のストーリーに聞き入る。

BEFORE


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築34年のビルリノベーション。工事が開始した当初は不安気だったスナックのママたちに「寂れてどうしようもなかったビルが、生まれ変わった」と喜んでもらえた。

5階・6階は、飲食として顧客に足を運んでもらうことが難しく、長い間にわたり空室が続いていた。ビル全体ではなく、デッドスペースになっていた上層階や屋上、ファサードのみを部分リノベーションして既存店舗をそのままにしたことで、新たな訪問者が既存店の顧客に繋がる新たな価値をビルに加えた。また、5階のベーカリー&ドーナツCAFEや、使われていなかった屋上にテラスをつくり、夜だけでなく昼も稼働するAll dayな施設として収益を改善した。
周辺にも雑居ビルの空き店舗がまだ多くあるため、東町のワークスペースと店舗の組み合わせたリノベを1つのモデルにして、築古ビルの活用からGentrificationへの活路を見出していきたい。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • シェアラウンジ
    • 費用
    • 7000万円(税込)
    • 形態
  • 性能向上リノベ 実施
  • <断熱性能>該当なし
  • <耐震性能>6・5階内装、正面アート、屋上テラス
  • 費用に含まれるもの
  • その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1990年6月
    • 構造
    • 鉄筋コンクリート
    • リノベーション面積
    • 999.99
    • 施工期間
    • 100日間
    • 備考

CREDIT


  • 施主 株式会社フクチプランニング 代表取締役 福地一仁
  • 共同企画 株式会社カロリー 代表取締役 小川 弘純
  • 設計 株式会社リノベース 代表取締役 福地 一仁、企画 堀川 大、設計 岸本 優
  • 施工 株式会社リノベース 代表取締役 福地 一仁
  • コンセプト設計・内装デザイン協力 KEYBRACKET 菅原大輔
  • 施工協力 株式会社アレックス 代表取締役 外間 俊