唯一無二の暮らし ~倉庫から住居へのコンバージョン~

戸建  /   エリア:熊本県  /   掲載日:2022-09-20

戸建  /   エリア:熊本県

掲載日:2022-09-20

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重量鉄骨造の倉庫を住宅にコンバージョン。1枚の板金で出来た屋根は、雨の日には雨音が大きく反響し、とても住みやすい環境とはいえなかった。間取りを検討する上でも、普段とは違う難しさがあった。この建築から与えられたものは外壁と大きな骨組み、そしてファサードを決めつけるであろう正面は、大開口があるのみ。

今回のコンバージョンでは、天井に懐をつくり、分厚い断熱材と空気の層を確保することで、雨音の鳴り響かない住みよい住空間の確保を行った。正面は内部へと引き込ませる形にファサードを形成。回遊性のあるお家をキッチンからも双方向から見渡せ、どこにいても家族の気配を感じることができる。トイレという狭小空間には歪な鉄骨の柱型を活かし、間接照明を仕込むことで奥行きを感じさせる。回遊性を持たせる場合に無くなりがちな収納は宅内中心に据え、囲うように居室を配置することで、外壁面という結露の発生しやすい場所から遠ざけつつ、部屋からのアクセスもしやすくした。
また、既存の大きな開口部が残る南西部から採光を取り半“ソト”空間とした。半分”ソト”で半分”ナカ”。ご夫婦がお酒を呑んだり、お子様が昼寝をしたりするには、その曖昧さが丁度よく、あえて倉庫らしさを残す空間とした。直線で構成される鉄骨が、細さは洗練さを、太さは剛健さを感じさせ、外から見たときのギャップを楽しむ、ここにしかない唯一無二の暮らしを実現した。

BEFORE


before image

当該物件所在の宇土市は、江戸時代初期から宇土細川藩蔵屋敷をはじめとする多くの武家屋敷が設けられ、石工による橋が現存し、荷物の集積場として道が狭いながらも人が多く往来し賑わっていた地区。
そこには築古の木造住宅に併設された鉄骨造の倉庫がありました。伽藍洞のようなその倉庫は、利用されることなく月日が経つばかり。持ち家への憧れを持つご夫婦は、その倉庫を取り壊して新築することを検討しましたが、その土地に新築するには、前面道路が狭すぎるなどの問題がありました。さらに、その鉄骨は取り壊すにはあまりにもったいない立派なつくり。「羊の皮を被った狼」の逆の意味として、みかけに寄らず中身がよいというギャップがお好きなご主人様にとって、リノベーションという最善の手段を閃くまでの時間はそう長くは掛かりませんでした。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円以上
    • 間取り
    • 3LDK+S
    • 費用
    • 1969万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / 断熱改修
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 家具家電、照明器具(一部)

物件情報


    • 築年月
    • 1993年7月
    • 構造
    • 鉄骨造
    • リノベーション面積
    • 120.00
    • 施工期間
    • 3か月
    • 備考