風景のカケラ、再編集 「PAAK STOCK」

その他  /   エリア:宮崎県  /   掲載日:2022-09-20

その他  /   エリア:宮崎県

掲載日:2022-09-20

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地域の風景を後世に残したい。人が住まなくなり解体されてしまう古い空き家には、熟成された木材や、職人の技術が詰まった建具や家具、その当時の文化が垣間見える家財道具が眠っている。当たり前のようにあったからこそ捨てられ、時代が変われば古く価値のないものとされてしまう。そのどれもが歴史や文化を物語る大切な風景の一部。そんな失われてしまう風景のカケラを集め、新しい価値をつけて次の世代へ繋ぐ場所を目指して「PAAK STOCK」という古物物販事業を興した。空間はすでに集めてストックしているものを活用し「これが古材の使い方だ!」と言わんばかりに空間を間仕切る2種類のファサードをつくる。かつての生活感が窺える食器や小物などはガラスケースに入れ、美術品のように扱い非日常をしつらえ、元パチンコ屋の大きなワンルーム空間を古箪笥や棚を使って絶妙に仕切り路地空間のようなワクワクできる空間をつくった。場所は居酒屋やスナックが集まり昭和の時代に発展したことで江戸時代から続く町屋街の本町に対して新町と呼ばれ賑わっていたが、昨今の状況によりエリアの人通りも減っていた。ずっと閉まっていたシャッターを開け、店舗前には街と繋がることのできる半屋外空間を作り、ベンチやテーブルを置き人の流れを作るとともにエリアの空気の一変も狙った。すでにある風景のカケラを集め、再編集することでまた新たな風景を紡いでいく未来をみてみたい。

BEFORE


before image

今回の物件がある飫肥は明治初期までの280年間飫肥藩・伊東氏5万1千石の城下町として栄え、昭和52年に重要伝統的建造物群保存地区に選定された街である。
古民家再生が行われる一方で、後世に残したい歴史ある風景を横目に、泥や砂を被り、寂しそうに残され廃棄されてしまった空間や多くの古物と出会ってきた。熟成された木材や、職人技術が詰まった建具、食器、家財が古く価値のないものとされてしまう現状。一度失ってしまえば、100年の歴史や情緒を身にまとうものをつくることはできない。築120年の物件リノベーションに携わった際、「どうしても捨てることができない」と運べる分だけ引き取ることにしたのが最初のきっかけ。
今から2年ほど前の2020年7月頃、20年も前に閉店した元パチンコ店を見つけ、そこへ少しづつ引き取り、集めてきた古物たちをストックし続けるところからこのプロジェクトは始まった。

Before

After

    • 部門
    • 無差別級
    • 間取り
    • 展示販売所+α
    • 費用
    • 350万円(税込)
    • 形態
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体 / 水まわり / 居室・その他 / その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1980年1月
    • 構造
    • 鉄骨造2階建て
    • リノベーション面積
    • 272.62
    • 施工期間
    • 3ヶ月
    • 備考
    • 自社で不動産賃貸、設計監理、業態開発、運営設計構築、運営、経営、全て取り組んでいる

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