2018年に『国境離島と記憶の再生』というコンセプトで蘇った酒蔵と旅館。コロナ禍で不要不急と言われた観光コンテンツは、この旅館も然るべく厳しい状況に立たされ苛まれていた。しかし、「とことん味わう、遊ぶ、感じる島を」をテーマにしているこのプロジェクトは島と共にあり、常にどうあるべきか問い続けていた。手付かずだった旅館内の大部屋をラウンジに改修し、酒蔵レストランで食事をした後はここで他の宿泊客と談話やボードゲームで盛り上がり、格別の時間を過ごせるようになった。屋上の旧機械室はサウナになり、水風呂は酒蔵にあった酒樽を利用し、浸かると酒の気分になれる。ドアの取手には島の流木が使われ、魚港を一望できる“ととのいテラス”は島の物語を全身で感じることができる。「漁火(いさりび)サウナ」と名付けられたこのサウナは島民や観光客、さらに全国のサウナーが訪れる仕掛けになった。そうしている間にも前者のラウンジは先日、コワーキングスペースとして開放され、宿泊客以外も利用することができるワーケーションの核となった。この変化は連鎖反応を呼び、近隣にクラフトブリュワリーがOPENした。旅館、酒蔵レストラン、サウナ、コワーキングスペース、ブリュワリーという多様なコンテンツが集積され、島と旅館の第2章が完成した。“記憶の再生”から“創出”へ。まだまだ続く物語。この物語の第3章を見ることが楽しみなのは言うまでも無い。
BEFORE
LAMP壱岐。2018年に『国境離島と記憶の再生』というコンセプトで蘇った酒蔵と旅館。コロナ禍で不要不急と言われた観光コンテンツは、この旅館も然るべく厳しい状況に立たされ苛まれていた。