コロナ禍で「したいことが、しづらい」という時期が続くいま、「好きなこと」をあきらめない暮らしにスポットが当たっています。それはたとえ、育児中でも、介護中でも、闘病中でも――。これまでとは違う状況になっても「好きなこと」を続けられる暮らしのあり方とは？　一つの好例をご紹介します。

この物件のオーナーは、「ワイン好き」をあきらめなかったご夫婦。かつてはお気に入りの店に通い、外食を楽しんでいましたが、コロナ禍と、小さいお子さまがいるため断念することも。「それなら、レストランの気分を家でも味わえるようにすればいいかも!?」と、逆転の発想。「イタリアのワインが飲めるお店をイメージして」というキッチンダイニングを暮らしの中心に置き、レストランにいるような気分ですごせる空間を作り上げました。
コの字カウンターのオープンキッチンに、ボトルやグラスが並ぶ吊戸棚、昼と夜で印象が変わる窓側のバーカウンター。ものづくりが趣味の旦那様が夫婦の好きなテイストを盛り込んでイメージをまとめた、家族みんなが大好きな空間です。
キッチンに率先して立つのは旦那様。「このキッチンで料理がしたくて、以前より頻繁に料理するようになりました」と語ると、奥様は「主人の料理の腕前が一気に上がりました。こだわりのペペロンチーノがおいしくて、この空間でワインを飲みながら楽しむ時間が最高です」と笑顔でグラスをかたむけます。