中古であることを生かした、リノベーションならではの空間や素材感を希望されたお施主様。子育て世帯でもあり家も家族もゆっくり育っていくような家づくりを目指しました。
外壁や床には地元材の杉を利用し、元からそうであったような景色や構造との調和を図りました。外壁は水性塗料で仕上げることで経年で色が変化していきますし、床は柿渋塗りで仕上げることで手入れをしながらも風格が出てきます。
プランは子育てがしやすく用途を限定しない間取りと、家族の成長や変化に可変的に対応できるものになっています。LDKは遊ぶ・学ぶ・食べる・寛ぐ等の日常活動をご家族様で共有できるように工夫しました。LDKの一角にキッズコーナーを設けることで、大人達が寛ぐ横で子供達が遊んでいたり、LDKの一角にデスクコーナーを設ることで、大人が料理をする横で子供達が勉強していたり、家族で同じ時間を共有できるシーンを形にしました。
キッズコーナーは以前の縁側の位置に計画し明るい日差しが入るスペースです。子供達が小さいうちは積み木をしたり、少し大きくなったらお友達を呼んでお飯事をしたり、子供達の成長に合わせて使えるゆとりのあるスペースとしました。デスクコーナーは子供達が並んでリビング学習ができるように一間の間口を設けています。少し独立し個室に入るようになった際は大人の書斎やPCコーナーとしての利用を想定しています。
BEFORE
昭和37年の建物で、外観・内観・間取りなどの老朽化や不便さなどが目立つ状態でしたが耐震改修は既になされており、住み続けることができる物件でした。小屋裏からは煤けた梁が見えたことから、それを空間に取り入れたいと考えました。以前の外観は昭和の時代に多いものですが、残す部分と変える部分との調和や対比も今回のリノベーションの醍醐味だと感じました。