経年劣化による水回りの寒さが問題でしたが、表層の改修では解消できないことがわかり、南棟を改修・北棟を解体して増築する計画となりました。
かつて割烹旅館だった頃の建物は市の文化財保存施設に移築されており、施主様もその歴史を大切されていました。
そのため「施主様ご一家のこれまでの暮らしを大切にすること」と「性能面の向上」を目指したリノベーションとなりました。
増築部分や外観のデザインは、移築された建物のイメージで“和モダン”でまとめています。
特にLDKには軒をイメージした化粧梁を作り、床には竹フローリングを使用するなど、数奇屋造りの雰囲気を取り入れました。
あわせて家具の補修を施したり、敷地内の樹木をサイドテーブルのように加工したりと、思い出深い品々が今後も活躍できるようにリメイクしました。
性能面では、気になる水回りの寒さは新築となったことで根本から解消。加えて窓にペアガラスを使用したり、LDKに床暖房を入れるなどの寒さ対策を行っています。
窓を強化したことで防音性能も向上。施主様は「車が通る音がほとんど聞こえなくなった」と予想外の効果に喜んでおられた様子でした。
北棟と南棟の段差の解消や、ランドリールームを設けて家事効率を上げるなどのリノベーションだからこそできる改善で、今後何十年経過しても快適に生活できる住まいへと進化しました。
BEFORE
こちらはかつて戊辰戦争の引き金となる事件が起こった割烹旅館の跡地にあるお宅です。
リノベーション前の建物は施主様一家の住居として建てられてから40年が経過しており、水回りが凍るほどの寒さや、北棟・南棟の間に高低差があるなどの不便さを感じていらっしゃいました。