あえて1LDKと表現するが、これは夫婦と子供たち4人が暮らす6人家族の住まい。
リノベで目指したのは、独立した部屋をたくさん作るよりも、家族が仲良く共有する快適な住まい。個別の部屋は無く、リビングの壁側に置いた長いデスクを個々の勉強スペースとして共有する。これとは別に、玄関土間にもPC作業や集中モード用のデスクスペースを設けた。
リビング中央の大きなテーブルは、調理と食事を兼用し、さらに食事しながらTVを見ることが多いため、このようなキッチンの形となった。ルーバー建具の部屋は、大きな2段ベッドのような作りで、上下あわせて約6帖ほどのサイズ。川の字のように並んで上段に3人、下の畳に3人として、家族6人が眠れる寝室となっている。食事の時も、眠る時も、勉強の時も、いつもの定位置がなく自由に居場所を選ぶルールで、例えば、椅子の専有者を決めず自由に選び、いつもと違う場所で使うことによって感じる小さなワクワクが、普段の生活をより楽しくさせることも想像した。
1つの寝室とLDKは、6人家族で住むには、一見すると部屋数が足りないかのように感じるが、この当人家族にとっての住まい方は、これが最適解なのかもしれない。親子で川の字になって眠るスタイルも令和版となって再現された。
BEFORE
リノベ前は4LDKで、リビング横に洋室と和室、北側に洋室2部屋があるというよくある間取り。中古で購入したマンションで、入居当時は4人家族。ここに住んで約15年の間に6人家族となり、設備や内装の劣化、部屋の狭さに我慢できなくなり、リノベーションを決意した。もともとリビングヨコの「和室6帖で6人が寝る」という生活スタイルがあり、個々の部屋を作るよりも場所を共有することで、問題を解決できないか模索した。