一目見て北欧的な温かみを感じる1LDK。
キッチンの壁と床一面に敷き詰められた赤茶色のタイルが、同じ色調の木目壁や造作扉と調和するこの空間は、アルヴァ・アアルトに心酔するSさんが、彼の自邸にインスパイアされて行き着いた理想の我が家だ。

学生の頃から北欧的なデザインに憧れ続けてきたというSさん。当時は自分が家を持つことを現実味を帯びて考えていたわけではもちろんなく、「素敵だな」と心に仕舞っていたというデザインの数々。それらの大半がアアルトが創り出したデザインだということを知ったのは今から3年ほど前、家づくりを真剣に考え始めた時のことだったという。目に留まる空間、家具、照明。何をとっても、心がときめくデザインのルーツを紐解いていくと全てがアアルトに繋がっていることを知り、すっかり彼のファンになっていったという。
壁付けに設えたキッチンは、そんなアアルト的なインテリアにマッチするよう、フルオーダーで造作。住宅設備であることを感じさせない、まるでヴィンテージ家具のようにデザインされたキッチンは、デザイン性もさることながら調理師である奥様の身長や家事動線に合わせて緻密に計算されており、使い勝手も申し分なしだ。

時間をかけて自分の価値観に向き合い続けること。
それを極めた先にあるのが、他の誰にも真似できない自分だけの最高にヒュッゲな暮らしなのだ。