これは5羽のための住まい。
住まい手は大の鳥好きで、全てが”鳥ファースト”で考えられました。
決して広いとはいえない38㎡という空間。でも、鳥の住環境として最高の空間でした。
いかに鳥たちに快適に使ってもらえるかが判断軸。家具や止まり木の配置計画を含め、設計さん、お施主さんと話を進めていきました。間仕切り壁をなくすことでのびのびと飛び回れるように。開口部は気持ちよく日光や風を浴びつつも、脱走を含めた事故を防げるブラインドを採用。廊下からリビングにかけての仕切りにもブラインドを採用し、部屋全体で風通しを調整できます。天井にはアイボルトを10本設置し、止まり木やバードアスレチックを自由に設置できます。
建材も化学薬品や金属は一切使用せず、自然素材を使用。カーペットは脂粉の舞い上がりを抑え、ホコリを吸着する効果があります。印象的な壁面のカラーはいつ撮影しても彼らを主役に映えさせてくれます。
広いワンルームはキッチン部分に段差を設ける事で平坦になりがちな空間のアクセントとしています。人の使うウォークインクローゼットや収納は裏側にひっそりと配置され、キッチン用具は基本的に建具に収納されます。
お金のかけどころ含め、ここまで”鳥ファースト”な住まいも珍しいけど、リノベーションだから叶ったこと。
都心で小さな家族たちと住んでいくための工夫がこの空間には揃っています。
BEFORE
葛飾区は災害時、ペットとの同行避難が可能です。(小動物に限る)もしものことを考えて普段から行っている、鳥たちにリードを付けて肩に乗せながら行う散歩兼トレーニング時には、街の人が気さくに話しかけてくれたそう。浅草の古き良き職人の街の雰囲気と、この適度な距離感が気に入り、ここで5羽と一緒に暮らしていきたいと、お部屋探しが始まりました。
もともとリノベーションの予定はなく、再販物件を買う予定だったところを、当物件の展望の良さ、風通しの良さを気に入り、かつ工事をしても予算範囲内で抑えられることからずっとやってみたかったリノベーション工事を決意。スカイツリーが眺められる高さ、角部屋の日当たり、風通しの良さは鳥たちにとって最高の環境。結果的にリノベーションの選択肢は大正解だったとお話しいただきました。