おとなひとり、こどもふたりの暮らす家。
作家である施主は家とは別にアトリエを構えながらも、家で制作を行うことも多いという。
狭苦しい雰囲気にはしたくないが、各スペースはある程度区切られていてほしいという要望にこたえるため、
部屋の中心ににコアとなるボックスを建て、周囲に出来た空間それぞれに機能を持たせた。
料理をして食べる空間、くつろぐ空間、寝る空間、施主の作った作品を展示するギャラリーとしての空間、、
そのそれぞれの空間が中心のボックスによって曖昧に区切られ、仕事をしていても、料理をしていても家族の存在を感じることが出来る。
ちなみに、ボックスの中は家の中の物が集まる収納の役割を果たしている。
内装は、「部屋に温かみは求めません」という施主の割り切りの基、部屋に置く作品やインテリアを映えさせるべく、グレーを基調としたギャラリーのような仕上げとした。
おとなひとり、こどもふたり。
作家としての仕事をしながら子育てをするのは並大抵のことではない。
家族の営みに対し、建築の出来ることは限られている。
そんな中でも、少しでも条件の良い立地で。家族が快適に過ごせる間取りで。そんな願いを込めたプロジェクトとなった。
BEFORE
1997年築。
小学校が近く、公共交通機関も徒歩約1~2分で子育てをするには好立地。
内装や間取りは施主の求めているものとは違っていたため、一度スケルトン状態にしてからの工事となった。