マンションで「寺」に住む

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2022-09-14   R mark

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2022-09-14  /   R mark

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renovation image

このプロジェクトは施主様からの「お寺に住みたい」という一言から始まった。しかし舞台は、味わいある古民家ではなく76㎡のマンションの一室。空間的な制約上、単に寺を再現しようとすれば「嘘っぽさ」が出てしまう。また、賃貸での不自由さから、スムーズな動線も強く求めていた。

マンション、寺、動線。異なるキーワードを
・マンションの現状はそのまま受け入れ、活かす
・室内をぐるりと巡る、一筆書きの動線
2つの構想で繋いでいく。

マンションを象徴するコンクリートの梁は、あえて隠さず大胆に現し、新たにつくる壁や床で、真壁や長押など「伝統的な意匠」を再現していく。寝室の戸や書斎の仕切りなど人が触れる建具には、大正時代の蔵戸といった「本物」を据える。視覚的、体感的な仕掛けで、マンションと伝統の調和を目指した。

また、寺と動線というキーワードを繋ぐために着想したのは「一筆書きの土間」。寺の本堂のごとく、一段高い位置にリビングを設け、ぐるりと土間をまわす。仕事や家事など生活の生業は土間で行い、履物を脱いでリビングに上がれば自然と心が切り替わる。空間のアイストップとなるキッチンの腰壁は、30cmの段差を利用してダイニングテーブルと高さを揃え、視線の切れない広がりを演出した。

実はヘビメタギタリストの顔を持つご主人。ギターをかき鳴らす時間と静寂の時間とのメリハリを楽しんでいる。

BEFORE


before image

キッチンを中心として、壁で細かく仕切られた空間。水まわりはダウンスラブの構造でエリアが広く取ってあり、比較的自由度の高い物件だった。
自宅でお仕事をされることが多く、賃貸暮らしでの生活や家事、収納面に大きなストレスを抱えていた施主様は、流れるようなスムーズな動線とメリハリのある暮らしを強く希望していた。
マンションの既存の現況と求める暮らし、寺というキーワードをひとつの操作でダイナミックに解決すべく、「LDKを中心にダイナミックに土間をまわす」という着想に至った。土間がつくる段差は、心の切り替えや気軽に腰掛けられる居場所としても機能した。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円以上
    • 間取り
    • 1LDK+WIC
    • 費用
    • 1360万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 家具、釘隠し、蔵戸

物件情報


    • 築年月
    • 2006年2月
    • 構造
    • ラーメン構造
    • リノベーション面積
    • 76.53
    • 施工期間
    • 3ヵ月
    • 備考
    • 【不動産仲介・設計・施工】ゼロリノベ (株式会社groove agent)

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