古民家を温ねて新しきを知る

戸建  /   エリア:山梨県  /   掲載日:2022-09-08

戸建  /   エリア:山梨県

掲載日:2022-09-08

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renovation image

リノベーション相談で初めてこの古民家を訪れたとき、まず驚いたのは10畳1間のダイニングにどーんと置かれている直径1、5mもある丸テーブルだった。こんな贅沢な暮らしの中に何の悩みがあるのか尋ねると、それはやはり古民家特有の寒さと採光の問題だった。

ダイニングキッチンは北側に配置されていて、その南側には使われていない土間の部屋があった。このスペースの天井を取り払い、スケルトン階段を設けてロフトと本棚を作り、そこにある大きな窓から光を採り入れた。古い単板ガラスのアルミサッシも高性能断熱サッシへと取り替え、冬の寒さ対策を施した。

同一敷地内に建つ明治時代からの古いお蔵と、築90年のこの古民家と共に、先祖代々から継承されてきた間取り図と家相方位盤が大切に保管されており、その大きな丸テーブルの上に広げて私たちに見せてくれた。昔の人の知恵と経験を生かしつつ大切にしてきた家相と風水。寒さや採光など、現代人の暮らしに必ずしも合ったものとは言えないが、太陽の光、風、水が私たちの心と体に与える影響は今も昔も変わらない。住みやすさとのバランスを考えながら、解決していく事こそが大切だと学んだ今回の古民家リノベーション。

ご先祖さまもきっと、オーナーご家族の暮らしを温かく見守ってくれていることだろう。

BEFORE


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小さい頃よく遊びに行った、山梨県御坂町にある築90年のおじいちゃんとおばあちゃんのお家。神奈川県で生まれ育ったオーナーにとって、それはとても優しい想い出として鮮明に記憶に残っている。月日は流れ、その古民家は数年前から空き家になっていた。代々受け継がれてきたこの土地と古民家をずっと気にかけてきたおじいちゃんとおばあちゃんの意思を受け継ぐことを覚悟したオーナーは、家族でこの地への移住を決め、生業の木工職人の技術と経験でセルフリノベーションを行うこととなった。広い10畳間の和室の畳をフローリングに張り替えてまるまるダイニングとした。都会では考え難い、直径1、5mもある大きな丸テーブルと薪ストーブを置いた。広くて贅沢なリビングダイニングへと変貌を遂げたのだが、古民家暮らしの大敵である寒さと採光の問題に頭を悩まされ、私たちへと相談を持ち掛けてくれた。それが今回のリノベーションのきっかけとなった。

Before

After

    • 部門
    • 1000万円未満
    • 間取り
    • 3LDK+土間
    • 費用
    • 930万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 水まわり / 居室・その他 / 屋外 / 断熱改修 / その他
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)
  • 建具家具工事

物件情報


    • 築年月
    • 1932年4月
    • 構造
    • 木造
    • リノベーション面積
    • 189.23
    • 施工期間
    • 3か月
    • 備考