玄関ドアを開けると広々とした土間と、壁一面の黒板に描かれた子どもたちが描いたカラフルな絵が出迎えてくれる。土間はさらにリビングへ続き、LDKと主寝室を分けるように伸びる。お家のなかにできた土間の小道。これは、朝早く仕事に出たり、夜遅く帰ってくるお父さんが家族を起こさないように、別にできる寝室が欲しい!という家族思いの要望をユニークにカタチにしたもの。そのドマコミチを飛び越えて遊んだり、小さなテントがあらわれたり、まるで子どもたちが路地裏で遊んでいるような風景!
細かく間仕切られていた間取りから、おおらかな空間へ。抜けないブレースは、スワッグが飾れるパーティションのように使ったり、平屋構造を活かして一部天井を抜き、天窓や勾配天井をつくったことで、ダイニングテーブル上に光が落ちてくる。キッチンのカーブの入口や子供部屋の三角屋根のドアも、リノベ中に生まれたアイデア。お母さんが、ミシンでチクチク縫物を楽しむそばで、子どもたちも絵を描いたり、工作したり。折り紙のケイタイが壁からのびるお手製のテープのコードで充電されてたことも!
なんて愉快な暮らしだろう!
気になる小道を分け入って進んでいたら、手作りを楽しむ暮らしの風景が目の前に。そして、このドマコミチがこれからも家族の手で日々の暮らしが作られ、将来の光景へと続いていく道のりをあらわしている気がして、じんわり嬉しい。
BEFORE
築45年(購入時)の軽量鉄骨造の平屋の物件。うっそうとした庭木や、細かく間仕切りされた間取りが相まって、建物の奥へと光が届きにくく、特に独立型のキッチンは開き戸で仕切られ、窓はあるものの暗かった。購入前の住宅診断で軽量鉄骨造で造られたこの物件の構造を読み取り、建物の健康状態を探る。表層の仕上げの痛みが目立つが、構造はしっかりとしているので、スケルトンにしてからのリノベーションでまた新しく暮らしはじめる住まいにできるという手ごたえアリ!好奇心旺盛の元気な姉妹のいる、おおらかなご家族へぴったりのお家をめざして、いざ!リノベーション!