GOOD TIME is [ be myself ].
施主のFさん、担当デザイナー、アシスタント共に30代女子。3人の家づくりは終始フランクで和やかな雰囲気だった。
大人女子の、大人女子による、大人女子のための家づくり。
自然と親近感が湧き価値観をとことん共有できる、
そんな家づくりの形がこれからのひとつのスタンダードとなることを予感させる空間が完成した。
一際目を引くピンクの壁は、Fさんが自分の手で塗装した、この家自慢の顔だ。
当初、黒にする予定だったこの壁を、いざ自らの手で塗ろうという段になって、ふと沸いた冒険心。
正直賭けだったというピンクで彩られた空間に足を踏み入れると、この組み合わせが最適解であったことを実感させられる。可愛すぎずクールすぎず、どちらにも振り切らない良いとこ取りのミックステイストがなんとも言えない空気感を演出しているのだ。
そんなピンク壁の内側の一角にはベッドを配置した。扉はなく、「寝室」というよりはリビングの延長線といった方がしっくりくる。眠るために寝室へ向かうのではなく、リビングでのくつろぎの延長線上に眠る時間をフラットに置くことがFさんにとっての自然であり、心と体が整う仕組みなのである。
ここでは全てがマイルール。
自分で選んで自分で彩った空間でありのままのライフスタイルを営む、おひとりさま女子の至極のリノベ空間である。
BEFORE
東京都武蔵野市。
大きな公園がほど近い見晴らしのいいマンションの一室がFさん宅だ。
お仕事柄、以前から興味があり大好きだったというインテリアの世界を目一杯楽しめるような自分だけの箱が欲しいと、この物件の購入とリノベーションを決意した。
じっくり悩んだ上で結論を出す慎重派のFさんが「壁をピンクにする!」とデザイナーに報告してきたときは、驚きつつも嬉しい気持ちで背中を押したという。