マンション / エリア:神奈川県 / 掲載日:2021-09-13
マンション / エリア:神奈川県
掲載日:2021-09-13 /
「住まい手自身が気軽に居場所を作ることができるdoredo(ドレド)」を用いたリノベーションマンション。
住まい手が主体的に住まいづくりができる環境と、不確実性の高い社会の中で自身にとっての豊かな暮らしを楽んで探せる機会を提供する。
スケルトン・インフィル方式により普遍的価値を保有する建築部分と、住まい手によって可変する内装部分を可動物として分離し、インフィルとして開発中の木製箱型モジュールdoredoを導入した。
doredoはトライアンドエラーを繰り返せることを意味し、従来の間仕切りや建具と比べて再組立・解体が容易なため、住まい手自身が気軽に居場所づくりをトライアンドエラーできる。
doredoにより、子供が成長したら部屋数や収納を増やしたり、在宅ワークのためのワークスペースを確保したり、必要のなくなった個室を縮小しLDを広くしたりと、住まい手のその時々の暮らし方に合った自由な暮らしを実現できる。
また、doredoは固定の内装造作ではなく、移設や分散利用が可能である。
パーツとして分解しアップサイクルすることで、資源循環及び環境負荷軽減から住宅産業のサーキュラーデザインへの一手になると考える。
なお、スケルトンである建築空間は、住空間の快適性や普遍的価値の長期保持のため温熱環境性能向上及び設備等のインフラ改修工事を別途行った。
BEFORE
コロナ渦において、多様な働き方に寛容な社会になったことをきっかけに、住空間へのニーズはこれまで以上に個別化・複雑化している傾向がある。
不確実性の高い社会においては、住宅購入時に住まい手が将来的に必要な部屋数や収納量を予測し判断することは難しい。
また、現在の多くの分譲マンションは「nLDK」タイプが複製供給され、住まい手がその時々の暮らしのニーズにあわせて、部屋数や収納量もしくはワークスペースなどの居場所をつくり替えたいと考えても、間取り変更を行うことは困難である。
間取り変更の際には工事会社に都度依頼する必要があり、また住みながらの工事は負担が増える。家具レイアウトを変えるように壁を移動できるようになると、徐々に自分の暮らし方にフィットした住まいができあがるのではないかと考えた。