プランニングに際して、眺望を楽しむストレスフリーな空間づくりをコンセプトとしました。箱型の間取りとは異なる形の角部屋の利点を活かし、二つのタワーが見える窓に正対した角度でキッチンを配置し、広いLDKのメインにアイランドキッチンを据えました。パントリーやインターフォンなどの機能部はキッチン背面に集約しています。キッチンやリビングに居ながらも眺望、夜景が楽しめるように視線の高さや方向に配慮しました。和室とした寝室は、座ってくつろいでいても窓から眺望を楽しめるように下部を収納にして床を上げ、間接照明で落ち着いた空間に仕上げています。リビングと繋がりながら引戸で仕切れるように額縁を造り、くつろぎの時間を視覚的にも区分けしています。
家事動線や空気の流れにも工夫を凝らしています。洗面からWTCを通ってバルコニーに出られる最短の洗濯動線をつくり、家事の利便性を高めました。クローゼットにはリビングへの出入り口に加え上部にも開口を設けて空気の通風と対流を促し、北面にありながら湿気の籠りにくい空間としています。
BEFORE
賃貸にしていたマンションが返却されたので、立地が良く眺望が楽しめるこのマンションに戻ることにされた施主さま。夫婦だけなので間取りを見直し、設備も全て交換したい。暮らしやすくリノベーションしたいとご相談を受けました。キッチンが狭くて暗い。それぞれの個室はいらないので寝室は一部屋に。リビングを広くしたい。生活がしやすいように寝室とクローゼット、リビングをつながりのある空間にしてほしい。二つのタワーが見える眺望を活かしてほしいとのご要望です。