限られた面積の中で、息苦しくないマンション住戸を実現するために、今回着目したのは「室内廊下」の再編集でした。
単なる通路としての室内廊下を無くし、収納や趣味のスペースとして活用できる土間空間に置き換える事で、同じ面積でゆとりのある暮らしの実現を目指しました。
この空間は、アウトドアギアや自転車などを広げてメンテナンスができる、言わば「趣味を支える場所」だったり、あるいは「リモートワーク」を行えるスペースだったり、コロナ禍によって、おうち時間が増えた家族が思い思いの時間を過ごすことができる「決まりの無い無駄な空間」です。
BEFORE
築46年のマンション、正方形が2つ重なるように配置された不思議な形状をした75平米の居室。この形状を活かし、多様性の受け皿となる新しいマンションのカタチを提案したリノベーション事例です。
コロナ禍によって、住空間に関心が向けられるなか、住宅に求める機能が増えつつあります。そのため、特定の機能が定められている住空間では行動に制限がかかり、住宅を窮屈なものにしている側面があると感じています。目的化された部屋がレイアウトされているだけではなく、言ってみれば「無駄かもしれないスペースの充実」がこれからの住空間にもとめられるのではないかと考えてリノベーションに取り組みました。そのスペースでは、アウトドアグッズなどの収納や趣味のものをお手入れをするスペースの確保、あるいはリモートワークを行う場所になったりと、住む人のこれからに合わせて柔軟に使える場所になるはずです。