ご主人が建築設計をされているご夫婦からの依頼。ご主人のイメージは、「箱の中に箱がある」というもの。
箱の【中の箱】とは、浴室・洗面室・寝室などプライベート空間。ここはそれぞれをこじんまりとしたスペースにして、シナ合板や珪藻土など繊細なマテリアルを使い、穏やかで優しく包み込まれるような空間に。
外側の【箱】は、みんなで共有するLDKやワークスペース。中の箱から出てくると、たくさんの観葉植物や書籍が目に入る。ここは情報収集の場でもあり、屋外と中の箱を繋ぐパブリックスペースのイメージ。コンクリートの躯体を見せ、ざらつきのあるストーンペイントを使い、半屋外のような雰囲気を持たせた。
【中の箱】【外側の箱】【屋外】へとだんだん開けるゾーニングは、静かなふるまい~大きなふるまいに対応でき、それはつまり暮らす上でストレスがなくいかに自由に過ごせるかということがテーマになっている。
BEFORE
元々は東京都内にお住まいだったご夫婦。奥様の妊娠を機に家探しを始める。できるだけ開放的な空間が良いと、ルーフバルコニー付きの物件を探しこの物件に出会った。玄関を入ると左右に個室が振り分けられ、廊下を抜けてリビングに入る「いかにもマンション」な間取り。この間取りを理想の【箱】にすべく、リノベーションがスタートした。