人が生きてゆくためのかなめ、それは食と水。料理をともに作る歓びを、何より大切にする施主様ご夫妻。
食を創り出すキッチンを中心に、団欒での語らいや働く歓びが共存する快適な生活。
その理想を叶えるため、水回りを部屋の中心に設けました。
面積を惜しみなく使ったリビングキッチンの中に、オーダーメイドによる長さ3メートルもあるキッチンカウンター。そこでお二人は一緒に作った手料理に舌鼓を打ちつつ、話に花を咲かせる。
もちろん大小さまざまな家の用事も、この広いカウンターがあれば大助かり。
お互いのリモートワークはキッチンカウンターと、キッチンと隣接したワークスペースの2箇所で可能。ここでは仕事も料理も地続き。
モルタルと木材など、無機質と有機質という素材のコントラストが生み出す洗練された佇まいの中、仕事に打ち込むひと時。
浴室や洗面所などの周りに通路がある回遊式の間取りは、窓を随所に配しています。いたるところで空気の流れと採光を、充分に取り入れる工夫を凝らしました。
そのおかげでいつでも、どこにいても光と風を感じられます。浴室の中にも窓があり、そこからもキッチンの様子が手に取るように。
食と水をかなめに、料理と団欒、光と風、仕事とやすらぎ。さまざまな暮らしのピースをつなぐのは、言うまでもなく住まうご夫妻です。
BEFORE
料理を一緒に作ることを楽しみとする30代のご夫妻。
各人が快適にリモートワークをこなせる住み家を求め、探し当てたのが14階建9階部分の中古マンション。
キッチンを広く取り、そこを中心に生活や仕事に関するさまざまなことができる環境。その理想を実現するため、施主様ご夫妻が選んだのはフルリノベーションでした。
キッチンに欠かせない水回り。浴室や洗面所の位置関係も重要となります。キッチンと隔絶しないワークスペースも必要です。
リノベーションの成否は、水回りのアレンジにかかっていました。悩んだ末に私たちが決めたのは、デザイン的にも施工面でも難しい、浴室を部屋の真ん中に持ってくる発想を出発点とすること。
料理へのこだわりと心地よい働き方を含む理想の生活を、食と水をかなめとしたフォーマットで実現する挑戦として、私たちの取り組みは始まりました。