新しい生活様式への行動変容が進むなか、都心部から郊外への住み替えニーズが高まり、ここ鎌倉にも大勢の方が住まい探しに訪れるようになりました。
本事例は、鎌倉市を中心に不動産の買取再販事業を行なっている当社が築46年の古家を買い取り、フルスケルトンに解体後、意匠と性能を再構築して再販した事例です。
設計コンセプトは『鎌倉に移り住む40代夫婦が、住みやすさと働きやすさを感じ、古都鎌倉の風情と自然を楽しみながら、心身ともに健康で快適に暮らせる家』。
1階部分は、南庭を取り込んだ土間から続く開放的なLDKにすることで、どこにいても外とのつながりを感じられる生活空間を創り出し、北側には夫婦それぞれが自由に使えるスペースを設け、水廻りの位置も大幅に変更しました。また、住まい手がカスタマイズしやすいよう、用途を決めつけず余白を残し可変性を与えました。2階には、富士山を望んだり、星空を見ながら優雅な時を楽しめる、眺めの良いインナーバルコニーを新設。
外壁は通気工法化し、景観に馴染むよう木製サイディングに張り替え、サッシは全て樹脂窓に更新。
性能面では、断熱はHEAT20 G2グレード、耐震等級3、増改築による長期優良住宅の認定を取得。
【中古住宅の買取再販 × 性能向上リノベーション】という新しい販売スタイルにも多くの反響が集まり、竣工と同時に成約となりました。
BEFORE
既存家屋は築46年のため、不動産流通市場では価値が無いものとみなされ、「古家付き土地」として扱われていました。
しかし、内見時に現況調査したところ、劣化事象が少なくメンテナンス状態も良かったので、次の世代が住み継げるよう再生できると判断しました。
スケルトン解体後に基礎が無筋であることが判明し、部分的に基礎の新規打設を要するという想定外の事態が起こりましたが、意匠設計・構造設計・施工会社の高度な現場対応のおかげで、工期・予算ともに計画どおりに遂行することが出来ました。
<改修前後の性能比較>
断熱性能:Ua値 2.90→0.39
耐震性能:Iw値 0.30→1.61
気密性能:C値 不明→1.2