窓をひらき、都市のノイズを借景する住まい

マンション  /   エリア:東京都  /   掲載日:2026-08-21   R mark

マンション  /   エリア:東京都

掲載日:2026-08-21   /  R mark

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「都心だから窓を閉ざす」を当然とする買取再販や、騒音を「消すべき弱点」として遮断する設計手法に問いを投げかけた。目指したのは、外界を締め切る静けさではなく、風や光を感じながら都市の気配と心地よく共存する住まいである。

着目したのは、日本庭園の「借景」を聴覚へ応用する「音の借景」。神山聴景事務所と協働し、この場所の気配から編んだ16の聴景音を無指向性スピーカーから空間全体へ展開した。これは騒音を別の音で覆い隠すのではなく、複数の音を背景として重ね、外から届く交通音や生活音との関係そのものを穏やかに整える試みである。

さらに、明治通り側に個室を置き、二層のファブリックやインナーサッシで音の奥行きをつくるゾーニング、有孔ボードや木毛セメント板など吸音性能を持つ素材、室内窓や建具、光の明暗までを一体で設計。音響機器を後付けするのではなく、間取り・素材・建具・音を空間全体として「調律」した。

都市の音を排除するのではなく、その土地の個性として受け入れ、暮らしの背景へ変える。静けさを「音がないこと」から「音と心地よい関係を結べること」へ再定義し、窓を開けて都市と健やかに暮らすための、新たな住宅の可能性を提示する一戸。

BEFORE


before image

恵比寿と広尾を結ぶ明治通り沿い。利便性の高い立地の一方、窓を開ければ車や街の音が絶えず入り込む。一般的な再販であれば、二重サッシなどで遮音性を高め、「窓を閉めれば静かな家」をつくることが定石だった。

しかし現地で感じたのは、音だけを遮れば、風や光、人の気配まで暮らしから切り離してしまうという違和感。都心で暮らすことと、外界を遮断することは同義なのか。街の音を消すのではなく、受け入れながら心地よく暮らす方法はないか。その問いから、音を単なる性能課題ではなく空間を構成する要素として捉え、神山聴景事務所とともに「音との関係」を設計する計画が始まった。

Before

After

    • 部門
    • 2000万円未満
    • 間取り
    • 2LDK
    • 費用
    • 1900万円(税込)
    • 形態
    • 再販モデル
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1987年2月
    • 構造
    • SRC造
    • リノベーション面積
    • 61.23
    • 施工期間
    • 5か月
    • 備考

CREDIT


  • 事業主 株式会社リビタ
  • 企画パートナー 神山聴景事務所
  • 設計 studio niko
  • 施工 株式会社tas
  • インテリアスタイリスト CHIFUYU IWASA
  • 写真 Takuya Furusue