







【背景】 ウェス・アンダーソンの独特な色彩表現と、1950年代のクラシックなインテリアに惹かれていたご夫婦。都内の賃貸から、駅近でありながら、在宅ワークができる静かな環境を求めて、千葉の団地物件を探し始めた。
物件探しを担当するマネージャーと「この物件ならどんなリノベができるか」というビジョンを共有しながら物件を探し、築40年超えの物件に出会った。
【設計プロセス】 施主様が理想のイメージとして挙げたホテルがあり、その空間の本質を読み解くため、設計プランナーが実際に宿泊。空間の印象やディティールを分析してプランへと展開していった。
【色彩と曲線の遊び心】 特徴的なラワンのR壁が続く「廊下」を軸に、各スペースが独自の色を持ちながら、連続性のあるデザインに。アーチ開口や丸窓、球体の照明など、曲線的な要素を多く取り入れ、視点が移動するたびに異なる色や素材が重なり合う視覚的効果を図った。
【個別性と連続性】 間取りはご夫婦の生活スタイルに合わせて、4LDK→1LDK+WIC+NOOKへ。
北側の空間には、個室ではなく「連続した個別性を持つスペース」を配置。団地の緑を眺めるワークスペースと、ホテルのメイクスペースを再現し、互いの時間を過ごす居場所を実現。
BEFORE
【既存構造の制約を逆手に】
団地特有の「壊せない壁」が課題となるLDK。 独立したキッチンから日当たりの良い南西側への移動を希望されていたが、構造壁の位置とPS、排気ダクトの接続ルートが大きな制約となっていた。 通常、この条件下での移動は限定的になるが、開口部をくぐるように壁付けキッチンを配置。制約をデザインに昇華し、リビングとのつながりと、キッチン周辺の動線も最適化した。
浴室やトイレなどの水回りは大規模な配置変更が難しいため、既存の位置を維持しながら、海外ホテルのような新しい空間に。
制限の多い団地物件だからこそ「既存構造との対話」と「デザイン設計」による創意工夫によって、唯一無二の豊かな空間が生まれた。

