「標準」を、設計し直す。

マンション  /   エリア:奈良県  /   掲載日:2026-08-12

マンション  /   エリア:奈良県

掲載日:2026-08-12

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renovation image

既製品は、選ぶものではなく、設計の素材になれる。

建築費が高騰する一方、SNSを通して洗練された住空間を目にする機会は増えた。
しかし現実の家づくりでは、限られた予算の中で、暮らしやすさと空間の質をどう両立するかが問われている。

そこで、設計者自身の4人家族が暮らす73㎡の中古マンションを舞台に、「余白を整える」ことから住まいを考えた。
既存の3LDKを、キッチン・ダイニング・リビング・畳スペースが緩やかにつながる構成へ再編集。
収納や設備を空間のノイズとして足すのではなく、壁や家具と一体の「面」として整理し、視線の抜けと生活動線を同時に整えた。

さらに、特注品や造作の量で価値をつくるのではなく、流通性の高い既製品や標準的な材料を、寸法・配置・納まり・色数・余白まで含めて設計することで空間全体の品位をつくった。
特別な材料を使わなくても、設計によって住まいは洗練できる。

これは一つの自邸のための特殊解ではなく、建築費が高騰する時代に、より多くの人へ開かれた住宅の「標準解」を問い直すリノベーションである。

BEFORE


before image

既存は73㎡の3LDK。玄関から中央の廊下を介して各室へ分かれる、マンションの一般的な間取りだった。

必要な部屋数は確保されている一方、廊下と建具によって空間は細かく分断され、家族が長い時間を過ごすLDK、和室、個室がそれぞれ独立していた。
限られた73㎡の中で、移動のためだけの空間や境界が多く、住戸全体の広がりを十分に活かし切れていなかった。

4人家族が暮らすうえで必要だったのは、単純に部屋を増やすことではない。
個室性を確保しながら、家族が集まる場所には視線と動線のつながりをつくり、同じ73㎡をより大きく、自由に使える状態へ整えること。
そのために、既存の「部屋の数」ではなく、「境界のあり方」から間取りを見直した。

Before

After

    • 部門
    • 2000万円未満
    • 間取り
    • 3LDK+WIC
    • 費用
    • 1800万円(税込)
    • 形態
    • 自由設計リノベ
  • 費用に含まれるもの
  • 家全体
  • 施主支給設備(費用に含まれないもの)

物件情報


    • 築年月
    • 1996年11月
    • 構造
    • RC造
    • リノベーション面積
    • 73.29
    • 施工期間
    • 3か月
    • 掲載会員企業
    • Y/A Design.std 一級建築士事務所
    • 備考

CREDIT


  • 設計 Y/A Design.std 一級建築士事務所
  • 写真 植村崇史