







週末を過ごすためのセカンドハウス。全開できる既存アルミサッシの特性を活かし、恵まれた眺望を最大限享受できる空間へ再構築した。
まず窓に面した3部屋と押し入れの間仕切りを撤去し、大きなひと繋がりの空間をつくった。内装を剥がして現れた杉板型枠によるコンクリート躯体の迫力を生かし、壁と天井は現しとした。外の美しい風景をより際立たせるため、空間はグレー基調の暗いトーンに抑え、床はカーペットを敷いた。
窓の上枠部分に12mmの薄い板を渡し、風景をシャープに切り取るフレーム(「鍔(つば)」と呼んでいる)を設えた。同時に床を少し上げ、鍔と床で既存サッシ枠を隠蔽した。視覚的ノイズを消し去ることで、部屋全体が半屋外のように風景と一体化する空間体験を意図している。
既存要素の継承も重要なテーマとした。状態の良好であった水回りは最小限の手入れに留めてそのまま利用した。間仕切り壁や造作ベッド・ソファは、マンションのオリジナル内装の木仕上げの色味を参照しラワン合板で製作した。さらに、かつてあった「掘りごたつ」の段差も個性として取り込み、天井の凸面はアクセントとし、床の凹みは風景を眺めるためのベンチシートと見立てている。夜はこたつのように光る照明を施した。
熱海における最初期のマンションに刻まれた歴史や痕跡を読み解き、施主の求める現代の週末住宅としての機能と空間の質へと、新しい視座で再編集した。
BEFORE
1960年に竣工した、熱海において最初期のヴィンテージマンションの一室。斜面に位置し、眼下に広がる優れた眺望という高いポテンシャルを持つ。南向きの窓に面して和室が2部屋とサンルームが細かく並列する間取りであった。

