







国内唯一の和食専門認可校の校舎の改修。1階の実習室は学生が立つ店にもなる。少子化が進む中、学校の専門性を可視化し、その魅力を内外へ伝える空間的なブランディングが課題であった。
一つの食材を多様な技で仕立てる和食の作法になぞらえ、用いる材料を国産ヒノキ材に絞り、内外装や家具へと多様な手法で展開した。無機質なRC造の校舎を木質化しつつ、外装には高耐候塗料を施すことで、経年変化そのものが建築の魅力として育っていくように配慮している。
また、すしの起源である江戸の屋台文化を現代的に再解釈した明るいエントランスをつくった。ファサードには片持ち3mの木造ガラス庇を新設し、ガラス張りの調理室越しに実習風景が街路へと広がる、明るく地域に開かれた構えを創出している。
内部の円弧状の板場は、自然と視線を中心に集め、舞台のように学生の美しい所作を引き立てる。この実習室は、学生自身が立つ店舗としても営業し、地域に対して生きた活動を発信する場として機能する。
単なる教育施設の改修に留まらず、学生の実践的な学びを街とつなぎ、日本の和食文化を次世代へと継承していくためのプラットフォームとしてのリノベーションである。
BEFORE
すしと和食の専門学校として認識されにくい、金属とガラスの素材感の硬質で無機質な外観。外から実習室の様子が見えない、内に閉じた印象の間取りであった。

