







東京・原宿。
流行が生まれ続けるこの街にあって、ベルテ原宿は時代を超えて受け継がれてきた希少なヴィンテージレジデンスである。
私たちはこの住まいを、新しくつくり変える対象としてではなく、受け継ぐべき価値として捉えた。
INITIA IDが掲げる「Suite Reserve」は、憧れのホテルで過ごすような高揚感を、日常の住まいへ取り込むという思想である。
しかしベルテ原宿で目指したのは、単なるホテルライクな空間ではない。
ヴィンテージマンションが持つ品格や歴史を尊重しながら、現代のライフスタイルに合わせて再編集すること。
石、木、ガラスといった素材が織りなす静かな上質さ。 都市の中心にありながら喧騒から距離を置く落ち着き。 そして住まい手だけが享受できる特別な時間。
それらを積み重ねることで、この住まいは「所有する空間」ではなく「滞在を楽しむ空間」へと生まれ変わった。
ベルテ原宿は、ヴィンテージを保存するプロジェクトではない。
歴史の中に眠る価値を未来へ継承しながら、住まいそのものを人生の体験へと昇華する、INITIA IDの思想を体現した一邸である。
BEFORE
ベルテ原宿には、時代を超えて支持されてきた建築としての魅力があった。
しかし既存の住空間は、現代のライフスタイルとの間に少しずつズレが生じていた。
私たちが向き合ったのは老朽化ではない。
この建物が本来持つ価値を、次の時代の暮らしの中でどのように生かすかという課題だった。

