







1970〜80年に建てられたレトロマンションを、あえて選び、住み継ぐ。若い世代が、生まれる前の時代に作られた「住まいの価値観」を“古びている”とは捉えずに、今はあまり見ることのなくなったデザインや、重厚な雰囲気に心地よさを感じるケースが増えています。
今回の主役は、築50年のマンションをおひとり暮らし用に選んだ女性。かつて阪神間モダニズムの生活文化が花開いたエリアに佇む物件は、今の時代には建てられないようなクラシカルな雰囲気です。「内覧で、外観にあしらわれたアイアンの飾りを見た時、きれいなフォルムに心惹かれて。海外の古き良きホテルのようで気に入りました。住み始めてから特に好きなのは、屋上にある共用の洗濯物干しスペース。屋上へ上がるエレベーター内で洗濯物の香りがしたり、ご近所さんと挨拶を交わしたりするのも居心地良いんです」と語ります。新築当時から暮らす方も多く、世代を超えたコミュニケーションが生まれやすいのも、「ここにして良かった!」と思える理由の一つ。
家づくりでも、「居心地の良さ」を意識。「洗面は朝の支度や、仕事終わりだけでなく一日に何度も立ち寄るから、一番好きな場所に」。その想いから、リビングの中に洗面スペースを設け、“家の顔”にしたのは新たな価値観と言えるでしょう。50年前も、今も。ここには、気持ちよく暮らしたいというシンプルな願いが受け継がれています。
BEFORE
「毎朝、気持ちのよい気分で迎えたい」という施主様のイメージを軸に物件探しを進め、出会った築50年のマンション。50戸ある部屋はいつも入居者で埋まっていて、若い世代も少しずつ加わって、リノベーションやリフォームをしている家も多いそうです。住人同士が顔見知りで、ご近所付き合いがあることでの安心感も大きく、女性単身暮らしの防犯上の不安も和らいでいます。
この物件では、RC造ならではのヴィンテージ感を活かしながら、どの部屋からも外の景色が見える“抜け感”を最大限に活かしたリノベーションを目指しました。日中はリビングやキッチンの電気を点けず、自然光だけでのんびり過ごせる工夫も。

