







回遊動線を叶えるためにキッチンを移動すると、排水経路の確保からLDKの床を約15cm上げる必要がありました。そこで、その段差をなくすのではなく、窓際に残る低い部分を“縁側”として活用。植物に水をやり、ベランダ用のスリッパを収納し、ときには腰掛ける。設備上の制約から、内と外をつなぐ新しい居場所が生まれました。
LDKの一角に設けた寝室も、壁で完全には閉じず、縦格子や高さを抑えた壁、異なるアールが交わる開口によって緩やかに区切りました。その向かいのヌックは、人の腰掛けにも、将来迎える猫や犬の居場所にもなります。
「ペット不可」は、調べれば「可」だった。「邪魔な段差」は、考えれば「縁側」になった。
住まいづくりでは、一見ネガティブに見える条件も、見方を変えれば可能性になる。そうして生まれた家で、外へ気晴らしに出かけることの多かったO様は、今では家でお茶を淹れる時間を選ぶようになりました。
制約を消すのではなく、読み替える。その先に、帰るたび自分に戻れる暮らしがありました。
BEFORE
中古を買ってリノベーションを考えていたO様。希望の物件を逃したことをきっかけに、物件探しからリノベまでを一緒に考えられるパートナーとしてシンプルハウス不動産を訪れました。
条件のひとつは、将来迎えたい猫や犬と暮らせること。しかし「ペット可」の中古マンションは選択肢が少なく、物件探しは難航。そんな中で見つけたのが、表記上は「ペット不可」だった一室でした。ところが管理規約まで調べると、実は飼育可能と判明し、購入へ。
そして始まった住まいづくり。希望した回遊動線を叶えるにはキッチンの移動が必要となり、排水経路のためLDKには約15cmの段差が生まれることに。
物件探しでは「不可」を疑い、設計では「制約」を読み替える。二つの逆転から、この家づくりは始まりました。

