







改修で特に力を注いだのが、建物の内外をつなぐ庭の再構成です。
既存の樹木や庭石、飛び石といった和の要素を活かしながら、サウナ、水風呂、休憩スペースを新たに配置。木製ルーバーや植栽によって周囲からの視線をやわらかく遮り、限られた広さの中に、落ち着いて過ごせる奥行きのある空間をつくりました。
夜には、樹木や外壁を照らす間接照明が、葉の陰影や木の質感を浮かび上がらせます。アプローチも照明と格子意匠によって整え、玄関へ向かう時間から京都らしい静けさを感じられる設えとしました。
室内は、畳や木の温かみを残しながら、家具や照明、動線を見直し、庭へ視線が自然に抜ける空間へ。室内、庭、サウナが緩やかにつながり、町家の風情と現代的な快適さを行き来しながら過ごせる滞在空間へと生まれ変わりました。
BEFORE
改修前の建物には、畳や木の柱、板張りの壁、坪庭、飛び石のアプローチなど、京都の町家らしい要素が随所に残されていました。
一方で、室内は家具や柱によって動線が分断され、ダイニングや和室、中庭がそれぞれ独立した印象に。庭も、植栽や庭石といった素材はありながら、設備機器や備品が目立ち、通路や眺めるための場所にとどまっていました。
限られた敷地の中で、既存の和の趣をどのように残し、室内と庭をつなぎながら、宿泊者が京都らしさと非日常を体感できる滞在空間へ再構成するかが、今回の改修における大きな課題でした。

