







宇和島市の旧図書館を改修し、中高生を中心とした若者が気軽に集い、自由に過ごせる居場所・活動拠点へと再編したプロジェクトです。
宇和島市では、市立図書館の移転によって残された大空間の活用が課題となっていました。一方で、中高生が放課後に安心して過ごせる居場所が不足しており、家庭や学校以外で地域と関わる機会も限られています。そこで令和2年度より旧図書館を若者の居場所・活動拠点とする「ホリバタ」事業を開始し、その活動をさらに推進させるため、本リノベーションを実施しました。
段床による床の高低差と、既存天井の残置・撤去を組み合わせることで、交流・学習・イベント・休息など、多様な滞在を許容する空間へ再編集しました。一人で静かに過ごすことから、グループでの交流やイベントまで「居場所のグラデーション」を形づくり、それぞれが心地よい距離感を選べる環境をつくっています。
また、既存設備や天井などを可能な限り活用することで、コストを抑えながら建築の魅力を最大限に引き出しました。さらに、利用者である高校生とのワークショップを通して、家具や空間構成だけでなく運営方法も検討し、利用者自身が関わり続ける仕組みを目指しています。
既存建築を更新するだけではなく、活動が建築を育て、建築が活動をさらに広げていく。公共建築を、若者が地域とつながり続ける「社会的インフラ」へと再編集したリノベーションです。
BEFORE
図書館の移転後、宇和島市では若者の活動拠点「ホリバタ」として運営を開始し、多様なプログラムや居場所づくりを進めてきました。しかし空間は図書館時代のままで、本棚を撤去してだけのフラットなワンルームであり、交流・滞在・イベントなど、現在の活動を支える環境としては十分ではありませんでした。
事業が先行して成果を生み始めたからこそ、その活動をさらに発展させるための空間整備が求められ、今回のリノベーションへと至りました。

